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ふらっと背中を押されて

恋人に振られた、フリーライターのaoikaraです。

1ヶ月前くらいに振られた。「好きだから一緒にいたい」だけだったら良いかもしれないけど、人生には岐路があって、その岐路で「一緒にいない方がいい」という結論になる話し合いをした、という形。

相手の気持ちが自分に向いていないことは、話を切り出される前から感じていた。相手には時間が必要で、私は待ってもいた。相手は結論を出す勇気がほんの少しだけ足りないみたいで、それならと私が切り出した。でも私には気持ちがあったから、振られたってことにしてもらっている。

話を切り出される前も、それぞれが考える時間を持っている間も、結論が出るまで待っている間も、「もう一緒にはいられない」という結論になる想像もたくさんしていたから、覚悟はできていた。

それでも改めて別れを突きつけられるのはつらくて、別れる前後は本当に悲しくて、何をしながらでも涙が出てた。本当につらかった。

でも、私は相手と向き合っているときは泣かなかったし、責めなかったし、取り乱さなかった。もう私が心を許していい相手ではないから。もちろん揺らいだり、弱さが出てしまう瞬間もあったけど、でもきちんと自分を保てていた。付き合ってから今までずっと私は誠実でいた。

私は決して強い人間ではないけど、そのとき強くいられた自分と、ずっと誠実に相手と向き合っていた自分は褒めたいと思う。


振られた次の日に、「振られたけど気持ちを切り替えて仕事をがんばってるし、これからは一人でも強く楽しく生きていく!」という思いを、毎朝聴いている『パンサー向井の#ふらっと』というラジオ番組にメールで投稿した。

そしたら、読まれちゃったの。えっ、てなるよね。もう本当にびっくり。

その前もちょこちょこメールを投稿していたけど、採用されたことはなくて。ラジオはここ数年聴いているけど、メールを出してみたのは『ふらっと』が初めてで。

そして初めて採用されて、向井さんに読んでいただけたのが、失恋した気持ちをつづったメールだったことがすごくうれしかった。

失恋した直後で傷が癒えていないから、まだ人には話せる気持ちはできていない。自分が大丈夫だなと思ったときに、やっと初めて人に話せる気持ちになるというか。だけど失恋した悲しみは吐き出したい。同時に、「それでも、一人でも、自分はがんばるんだ」と自分を奮い立たせたい。

そんな思いをメールに込めた。ラジオの向こう側にいる方々に、私の気持ちを受け止めてもらった気がして、本当に本当にうれしかった。


…なんだけど、実はリアルタイムで聴けていなくて。いや、ほぼ毎日ラジオはリアルタイムで聞いているし、その日もラジオはリアルタイムで聴いていた。でも、ちょうど私の投稿が読まれたときにトイレに行ってて、全然気づいていなかった。

聞きながらTwitterでラジオのエゴサをしていたら、「彼氏に振られても仕事をがんばってるなんてえらい!」みたいなコメントがけっこうあって、「あれ、これ私の投稿じゃない?」という予感がして。

リアルタイムの放送を聞き終わってから、radikoのタイムフリーで聴き直してみたら、まさに私の投稿で。

私、向井さんのラジオめちゃくちゃ聴いてるの。ふらっとも、むかいの喋り方も、チャリで30分も、向井と裏方も、あとは寝るだけの時間も。あ、ちょっと盛った。全部毎週聴いているわけじゃない。ごめんなさい。むかしゃべは毎週、あとはまちまちが本当。でもふらっとは最初からずっと聴いている。

そのいつも聴いているお声で、私の投稿を読んでくださったことが信じられないくらい衝撃で。

投稿を読んでくださったあとに、「大丈夫、俺も~ひとり!」ってちょっと自虐っぽく落としていただいて。本当につらい気持ちだったけど、もうくすっと笑っちゃって。

そのあとも、別の方のリクエストなんだけど、DEENさんの『ひとりじゃない』が流れて。

Twitterでもラジオ聴き(『ふらっと』のリスナーの呼び方)のみなさんが、すごくやさしくてあたたかい言葉をつぶやいてくださっていて。勝手にね、ものすごく励まされている気分になった。

曲のチョイスはおそらく偶然なんだけど、「あぁ、本当にひとりじゃないんだ」と思えたというか。私は人生で大変なところから幾度となく逃げてきたから、友達と呼べる相手も全然いないの。本当にいない。マジで一人とか。やめて引かないで。そうなのよ。残念なやつなのよ。だから「あぁ、ひとりだな」って思うことがすごく多い。

でも、こうやって“一人”がたくさんいて、同じものを共有したり、気持ちに寄り添ってくれていたら、「ああ、ひとりじゃないんだな」ってすごく心強くなった。ふらっと背中を押された気分になった。


本当にうれしくて、向井さんが私の投稿を読んでくださったところを、タイムフリーで何度も何度も聴いて。ちょっと気持ち悪いかもしれないけど、スマホで録音して保存もしてる。書いてみたけど気持ち悪いね。でもいい。

そのあとは「本当に投稿を読まれたのかな?」「振られたのつらすぎて記憶を捏造しているんじゃないか」って自分に怖くなったけど、ちゃんとラジオのステッカーも届いていた。

よかった。妄想じゃなかった。

裏には向井さんの直筆サインもある。よかった。本物だ。

そこから私は、一人で強く楽しく生きていくことにしたのだった。


…で、終わればきれいだよね。すごく励まされたし、背中を押されたし、元気をもらえたけど、やっぱりしばらくはまだ落ち込んでいた。一人でね、泣いてしまうことも、ものすごく気持ちが落ちてしまうときもあった。

自分の中でたくさん考えていた。自分には足りないところがたくさんあって、反省もした。相手とどうなりたいとかではなくて、自分自身の課題を解決しないと、私は誰とも向き合えないなとも感じた。

自分はこれからどうしたらいいんだろう、どうしたいんだろうと自分と向き合って、やるべきことをやって、ようやく1ヶ月。心の整理をつけるのにも時間がかかってしまった。


最近になって、そういえば今はふと涙が出てしまうってことはないかも、と気づいて。正直にいえばまだ癒えてはいない。でも、一人でがんばろうという気持ちは確立しつつある。

自分が避けてきたこととか、逃げてきたことに、今一人で向き合うときなのかなと。まずは一人の人間として、自分が自分を魅力的だと思えるような人になりたいなと、そのために行動したいという気持ちがある。

でも、まだ行動はできていないから、ここに宣言する。一人でも、強く、楽しく生きていくんだと。そして私は自分のために行動したい。

元恋人とはケンカ別れではなかったのもあり、恋愛ではない人と人としての付き合いはゆるーくある。あやふやな関係についてどうなんだろうかと考えるときもあるけど、それよりはまず自分のことを真剣に考えなきゃなという心持ち。もう、誰かに逃げたくない。


区切りをつけるという意味でもこのnoteを書いているのかもしれない。自分と向き合って、こうしようと思っていることが山積みすぎて気が遠くなりそうだけど、今が人生のがんばりどきかなと思う。

ふらっと背中を押されて、私はこれからもラジオを聞き続けて、たくさんの“一人”の人たちと共有して、“一人”だけど「ひとりじゃない」という気持ちで、生きていく。

あたたかい気持ちを届けてくれた全ての方に、背中を押してくれた人たちに、ありがとう。

2022年7月1日(金)

No.1274

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