No.461 世界を救うのは愛かもしれない

元気になった、と思っていたのだけれど、まだ私の心は元気じゃないみたい。たくさんの仕事をしている間は、仕事していることが楽しくて忘れられたのだけれど、無事に仕事を終えたときにぷつっと何かが切れたように思考停止してしまう。

この状況でリモートワークをして、誰とも会話をしないとストレスを感じる、というような話をSNSで見かけた。「そうなの！誰とも話さないと本当に寂しいよ！ずっとリモートワークの私を褒めて！」なんてめちゃくちゃ自己中心的なことを考えた。

孤独は敵だ。一人でいるとき、私は怖くなる。誰かと話すことで安心したい。誰かと関わることで安心したい。一人になりたいときもあるけど、ひとりぼっちは怖い。

たぶん、人との関わりを感じられるという意味で、仕事へのやる気にもつながっているのだと思う。

ウイルスに関連しても、関連しなくても、どこかで誰かが争ってる。あいつが悪い、いやおまえが悪い、自分たちは違う、と悪者とは線引きをして敵認定する。

今そんなことをして何の意味があるんだろうと思ってしまう。誰かを見下して自分が優位になっていると思うことで、ちっぽけな自尊心が満たされるだけだ。とか言う私はなぜその争いを見る。醜い争いをしている人より自分はまし、だなんてちっぽけな自尊心を満たしているだけじゃないか。

自分の思い通りにならなかった人間はみんな敵、という空気が怖い。いや、みんな自分が思うとおりに生きたいのは当然で、思い通りにいかない毎日だから、ストレスを抱えてる。だから、「早く自分の思い通りになってくれ！」って願ってる。要は日常に戻ってくれって。

「こんなときに〇〇するなんて」「そんなことを言って神経質になりすぎ！」「これだからあんたたちは…」

かくいう私も心の中で誰かを責めている。「なんでこんなときに」「なんで大丈夫なんて言えるの」「だけど経済的にも生きていけなくなったらどうするの」「いろいろ文句言うけど現場は必死に頑張ってるんだよ」…自分の中でだって矛盾が生じてる。

病気も怖い。重症化しない保証なんてないから。それなら健康に過ごせばいいのに、ストレスでそれもしてない自分がどうしようもないなと思う。自分はバカだなとも思う。

でも人も怖い。後ろ指さされるのが怖い。ずっと家にいるけれど、もし感染でもしたらいろんな人からいろんな目線で評価を下されて、私自身がウイルスのように扱われて責められる。それが怖い。

見えないウイルスの恐怖で、私たちは全ての人たちがウイルスのように見えて、だからこそあらゆる人が敵のように思えてしまう。「自分は敵とは違う」と線引きしても、ウイルスは線引きしないでやってくる。

敵認定するより、お互いが味方になろう。思いやりを持とう。自分が自分の身を守るように、大切な人の身を守ろう。自分にとって大切な人がいるように、誰かにとって大切な人を守ろう。

大切な人がいないという人でも、ライフラインを使って生きている。電気もガスも水道も、動かしてくれている人がいる。それは生きていくためにはとても大切な人だ。自分の行動が、自分の大切なものを奪うかもしれない。

「おまえは敵だ」と言う前に、その人のことを思いやろう。その人の立場になってみよう。思い通りにならないときに「なんとかして」と困っていることを主張するのはとても大切だけれど、同時に「自分たちにできることはなんだろう」と考え合おう。

責任ある人はより深く、考えよう。今、自分の立場を守ることが本当に大切なのか。私たちは国民として税金を払っている。命を預かっている状況なのだと、何よりも守るべきは立場ではなく権威ではなく人の命じゃないかと考えてほしい。健康も、もちろん。経済でも、命を失われないように。全部なんとかしてなんて難しいかもしれないけれど、誠意を持って行動すれば、誠意は伝わるはず。

みんな大変だ。「大変だ」と言う人に、「私の方が大変だ」「おまえの大変さなんてたいしたことない」なんて大変さを我慢させる必要なんてない。「私も大変なんだ。お互いに頑張ろうね」「無理をしないようにね」と言い合えた方が、大変さだって少しは軽くなるだろう。

「私は頑張っている」と言う人に、「おまえの頑張りなんてたいしたことない」「そんなこといちいち言うな」と言うより、「頑張ったね！」「私も頑張る元気をもらったよ」とねぎらい合う方が、頑張れるだろう。

つまりは人が人を思う気持ちを、思いやりを、愛を持っていれば心や体がむしばまれることはないんじゃないかと。

使い古された言葉だけれど、世界を救うのは愛なんじゃないかと、今本当に思う。綺麗事だと笑われるかもしれない。キスやハグで困ったことになったねなんて皮肉を言われるかもしれない。

でも、自分で自分を大切にしたいと思うように、自分が誰かを大切にしたいと思うように、誰かが自分を大切にしたいと思うように、誰かが誰かを大切にしたいと思うように、人だけじゃなくて動物でも植物でも物でも何だっていい、大切に思う気持ち、誰にだって愛はある。だったら今、愛を持って行動することができないわけない。

自分で書いていたうさんくさくてこっぱずかしくなってしまった。今こそ思いやりを持って行動しようよって思ったよって話でした。

2020年3月24日(火)