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【詩】地下坑道五百羅漢 平然とした日常はここに

私とトランク一つを 降ろしていってしまった
車は乾いた音を立てながら 排気ガスと一緒に去っていった
SevenStarsの煙はすぐに消えた
ベルベットとアスファルト 似ても似つかない 程遠い感触
乾いたチーズ程度の 悲哀を残して
横には一つのトランクがあるだけ
あと5錠しかない 薬瓶から 2錠取り出して飲み込む
海鳴り 海鳴り 海鳴り
倒れたパラソルの上を カモメが旋回している
トランクに入っていた ビスケットの袋を取り出した
プラスティック容器には 半分にかけたのがあるだけだった
私の横には トランクがあるだけなのだ

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