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私立中高一貫校の教育の質は本当に高いのか

今年の1月、ある教育評論家と教育ジャーナリストの対談を聞きに行きました。日本の教育の現場、特に中学、高校の教育についての話をされていて、対談後に幼稚園児の子供を持つお母さんから質問がありました。

「私の周りでは、中学受験のための塾通いの低年齢化が進んでいて、小学3年生から通い始めています。これについてどう思いますか。」

これは公立よりも私立の方が教育の質が高いので我が子を通わせたい。そのためには受験に合格させなければならず、小さい頃から塾に通わせないと間に合わないと考えてのことなのだろう。けれど、このお母さんは小学3年生から塾に通わせなければならないことに何かしらの疑問を抱いて質問をしたのだろうと窺えました。

教育評論家の答えは「実は私立の中高一貫校はいじめが多いんです。」でした。「私立だからといって先生の質が高いとは限りません。私立の先生はいじめがどういうものかを把握していません。いじめが起きた時、どう対処すればいいのかが分かっていないんです。」とのことでした。

さらに「私立で上手くいかなかった生徒が公立に転校するとみんな上手くいくんです。上手くいかなかった例はこれまで1つもありません。」

対談の最後に「周りがそうしているから自分もではなく、自分はどうしたいのかを考えて決めましょう。」とのことでした。

私立の中高一貫校に進学してくる生徒たちは過酷な受験勉強を経験しているはずです。親からの期待も強く、相当なストレスを感じているために他人に当たってしまうことは想像できます。

大人は教育費に比例して教育の質が上がると思いがちです。また、個人で考えることよりも周りと同じことをしようとするのは、私たちが受けた学校教育そのものなのではないでしょうか。集団の行動に馴染むことで自分を守ることができ、自己肯定感にもつながるという考え方が無意識のうちに刷り込まれていると言っていいでしょう。

けれどその結果、子供も親もそして社会全体もが歪んでしまっています。この歪みを直していくためには周りに合わせるのではなく、個人で考えていく必要があると考えます。集団に属するのではなく個人で考え行動することを各々が始めていくべきではないでしょうか。

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