north cloud ソーシャルアーティスト

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アーティストの視点で社会を眺めたときに感じたことを文章に書き起こしたり、小説を書いたりしています。北欧の風景画を描くランドスケープペインター。

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正解を求める日本の教育

間違えることは悪いことだと感じてしまう日本の教育日本の教育は正解に重きを置いていると感じる人は多いのではないでしょうか。正しさを求めることを良しとし、間違いは悪いことだとされる。私たち日本人は間違いを恥と捉え、常に正しさを求める傾向にあると言えると思います。 特にこのことを実感したのは、学校が生徒に完璧な英語を求めていると感じたときです。正しいスペル、正しい文法、正しい発音を求められ、ネイティブの話していることが正しく理解できなかったり、自分の話している英語が相手に理解して

    • 競争とは「他人と競う」ことではなく「ともに探求する」の意味

      私たちの生活の中にはたくさんのルールがあります。特に日本人は、ルールに従わなければならないという強い思いがあるように感じます。 ルール、すなわち規則や常識などを強く意識するようになるのは、義務教育の始まる小学校からではないでしょうか。規則を守れず、先生や親から求められる一般的な小学生像から外れてしまうと、大人はその子供を問題児として扱います。また、義務教育の中には、試験という方法で子供の学力を点数化し、競争をさせて順位をつけ優劣を決めるというルールもあります。 学校は義務

      • 自分の物語りがなければ知識は詰め込みでしかない

        私たちが受けている教育は、学校で国が定めている教育方針にしたがって子供に教育を受けさせるというものです。その主な教育内容の一つとして「知識を得ること」があります。小学1年生では漢字を80字、小学2年生では漢字を160字覚える。歴史や理科なども大人が決めたやり方で、大人が決めた「歴史」や「理科」を子供に理解させ、覚えさせる。その正確性を図るために試験を行い、成績をつけて子供の評価をする。試験の問題に対して疑問を持ってはいけない。勉強がつまらないと言ってはいけない。学校のやり方に

        • 英語教育を考える前に世界で今何が起きているかに関心を持つ

          親が子どもの教育を考える際に、英語の学習は優先順位が年々高まってきているように思います。幼少期から自分の子どもを英会話教室などに通わせる方も多いですが、その目的は何でしょうか? ・英語を上手に話せるようになってほしい ・進学校・有名大学に進学させたい ・グローバルな人材教育をさせたい ・就職に有利だから ・グローバル社会で英語は必須だから 子どもが大人になった時にグローバル社会で活躍してほしいと思うのならば、英語の習得の前に「今世界で何が起きているか」に関心を持つことの方

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        記事

          内向的な性格を受け入れられた理由

          私は最近まで、内向的な性格は欠点だと思っていました。社会では内向型よりも外向型が評価されています。友達は多い方が良い、明るい性格の方が良い、静かに話すよりも大きな声ではっきりと分かりやすく話せる方が良い、協調性を求められ、学校や社会ではリーダーシップのある人が評価される。内向型の人は外向型の性格に変える必要がある、内向的な性格は欠点であるというような風潮を感じている人も多いのではないでしょうか。 今思い返すと、自分の学生時代や社会人生活は外向的に振る舞っていたように思います

          内向的な性格を受け入れられた理由

          子どものゲーム依存の解決策

          親が子どもに対して「ゲームに依存して欲しくない」「YouTubeばかり見て欲しくない」という意見をよく聞きます。この問題の解決策として、子どもにゲームの時間制限をしたり、注意を促したりすることがあるかと思います。しかし、この「ゲーム依存」について何が問題なのか、なぜゲーム依存が良くないことことなのかを親が理解しなければ問題は解決しないでしょう。頭ごなしに、子どもに対して「ゲームばかりしていてはダメ」と伝えるだけでは、子どもは脅されている、もしくはただ親に怒られていると受け止め

          子どものゲーム依存の解決策

          「アートとは、現在から離れて遠い過去や見えない未来を想像すること」

          先日、久々に電車に乗った際に「和光3分大学」という車内広告を見かけました。和光大学の大坪晶準教授(写真家・現代美術家)によって書かれたもので「アートって、後から効いてくる」というアートに関する記事でした。 記事には「人はアート作品を通じ、いったん現在から離れて、遠い過去や見えない未来を想像する。そして自分の考え方や生き方を見つめ直しているのかもしれません」というアートとは何かに対する一つの答えが書かれていました。私はこの文章を読んだときに「壮大な宇宙の中に今自分が生きている

          「アートとは、現在から離れて遠い過去や見えない未来を想像すること」

          日本人が完璧主義な理由を考えてみる

          日本人は完璧主義だと思ったきっかけは、アイルランドで英語の語学留学をした時です。日本人は他の国の人たちと違って「完璧な英語を話したい」「間違った英語を話してはいけない」と考えてしまうことに気が付きました。 自分も含め、文法の正しさや発音が間違っていないかに意識がいってしまい、コミニュケーションをとることが難しくなってしまうのです。SNSで英語を勉強中の友人たちの英語でのやりとりを見ていると、自分の書いた英文に対して「間違っているところがあったら教えてね」などといったコメント

          日本人が完璧主義な理由を考えてみる

          ものを作るということ

          「How toからものを上手に作ろうとするのではなく、日々生活していく中で自分に合うものを自分の感性で作る」 noteでレシピに投稿されている柴田愛里沙さんのYouTubeチャンネルでシンプルなガーゼマスクを作っている動画を見てそう思いました。 柴田さんは北海道在住の方で、動画は北海道の冬景色の中で撮影されたものです。この動画には作り方の説明がなく、その場の情景や空気感が伝わってくるような演出をされていて、まるで短編映画を見ているようでした。 以前、柴田さんがNHKのイ

          コミニケーション能力ではなく本当の自分を知ることの方が大切

          私たちは知らず知らずのうちに決められた一つの価値観を意識して生きているように思います。決められた一つの価値観とは常識のことであり、常識を守ろうとするがゆえに生きにくさを感じたり精神のバランスを崩してしまったりする人も多いのではないでしょうか。 常識とは自分の気持ちに嘘をついて他人に合わせることだとも言えるでしょう。例えば「大人は自立をしなければならない」「大人は社会に出て働かなければならない」「子供は学校に通い、勉強をしなければならない」などは無意識のうちに刷り込まれた常識

          コミニケーション能力ではなく本当の自分を知ることの方が大切

          SNSでアートを売るという試み

          私は以前、ギャラリーを通して絵を販売させてもらっていました。自分が美大生だった頃、ギャラリーで絵の展示をして購入してもらうことが作家(画家)の仕事だと思っていたからです。 なので、都内のギャラリーを借りて個展をしたり友人とグループ展をしたり、現代美術の公募展に応募して入選し、美術館で展示をさせてもらったこともありました。公募展に入選し美術業界の方々に知ってもらうことも、作家として認知してもらうためには必要なことだと思っていたのです。これらの活動を通して、ギャラリーを経営して

          SNSでアートを売るという試み

          誰かを尊敬することは自由を失うこと

          タイトルを読んでどこかで聞いたことがある言葉だと思った人もいるかもしれません。これはスナフキンのセリフで「あんまり誰かを崇拝するということは、自分の自由を失うことなんだ」を簡略化したものです。 よく「尊敬する人は誰ですか?」という一般的な質問を耳にします。そして、この質問に対して「誰々を尊敬している」という答えをよく聞きます。会社の面接や著名人のインタビュー、学校の課題などでも尊敬する人を聞かれる事は多いと思います。その答えは、アインシュタイン、ガンジー、スティーブ・ジョブ

          誰かを尊敬することは自由を失うこと

          アートとは主体的であること

          私自身、絵を描いていた時期が長かったので「アートとは何か」を考える機会が多くありました。以前絵を描いていた時は、アートとは芸術作品のことを指すのだと思っていましたが、最近「アートとは主体的であること」なのではないかと考えるようになりました。 その過程で「アートとは知的好奇心を刺激するもの」「アートは問題提起」「芸術(アート)は爆発だ」などあらゆる人の意見を聞き、アートには様々な定義があるのだと思いましたが、これらのアートの定義は自分にとってはどれも腑に落ちるものではなく、ど

          アートとは主体的であること

          ART BOOK - landscape of Ireland

          本棚の整理をしていたら、12年前にギャラリーで個展をした際に制作したアートブックを見つけました。アイルランド留学中に撮りためた写真を見ながら描いた風景画を14点ほど載せた作品集です。夫がエディトリアルデザイナーということもあり制作を依頼したのですが、とても素敵な仕上がりにしてもらえたことを思い出し懐かしく感じました。 表紙を開いて最初のページに「into the twilight 薄明の中へ」という言葉を添えました。アイルランドの詩人、ウィリアム・バトラー・イェイツの詩「i

          これからの時代に必要な学校に代わる場所

          新型コロナウィルスの影響で休校が続く中、小学2年生の娘が通う小学校から毎週課題プリントを出題されます。その内容に目を通すと、学校の勉強は「作業」をさせられているのだと感じました。主体的に学ぶのではなく、指定の教科書、指定のドリル、指定の出題範囲、時間割もきっちりと決まっています。指定の文章を読んで内容読解の問題を解く、計算問題を解くなど、勉強はすべて大人の意向で管理されていると感じました。 私自身が大人になり、好きなことや興味のあることを自分の選んだ時間に納得のいくまで考え

          これからの時代に必要な学校に代わる場所

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          アイルランドの景色#2

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