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23歳で初めて弟ができたが死んだ

一人っ子の私が23歳のとき柴犬2匹と出会って家族となった。人と犬という違いはあれど、ばかなことをして楽しい日々だった。

先月16日、片方の柴犬が6歳2カ月で空に行った。1年くらいお腹がゆるく早飲み早食いで短気、郵便配達員が来るたびに吠え掃除機をかけるたびに吠えごはんを出すたびに吠える忙しい犬だった。

脳卒中で死んだ。20年一緒に生きるつもりでいて、短気だから「この犬は長生きできるのかなあ」なんて思っていた。番犬としての役割を十分に果たした。

残された犬は兄ちゃんとは正反対で近所で一番大人しい。郵便配達員が来ても掃除機をかけてもご飯を出しても吠えないし、散歩で会う人や犬全員と友達になれるタイプだ。「おたくの子とだけ仲良くできるんですよ」と言う犬が近所に2匹いる。

生きているとき電話占いで、兄ちゃんが残された方をどう思っているか聞いたら「俺たち凸凹コンビ」と答えていてむちゃくちゃ笑った。

うちの子は私にとって唯一の兄弟で、「犬を飼っている」というより「一緒に暮らしている」。兄ちゃんがいなくなってから、ばかできる相手がいなくてさみしいしつまらない。

顔はそんなに可愛くなかったが、いなくなってから本当にさみしい。手間のかかる犬がいないと暇を持て余す。

残された犬には30歳まで生きてもらう。

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