みかん

　　　みかん

二人は普段風船を割らないように
家へ持って帰りましたが、

途中階段に座って蜜柑を見ているときに、
ここで今風船が割れてしまって

かまびすしく音が鳴ってしまったら、
いくつか蜜柑が落ちてしまうだろうかと

心配になりました。
「部屋で飛ばして寝るときに、

見ているのは楽しいから
割らないように大切に持って帰りな」

とオナガは枝に留まり言いました。
「季節の変わり目だから」

「あったかかったり」
「夜は寒かったり」

「寝冷えしないように
ちゃんと毛布を掛けてから

風船を見るんだよ」
とオナガは言いました。