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自分の選択を信じること

私にはこの大学は合わないのかもしれない。

入学式の日、周囲の同級生を見てそう思った。

誰とも喋らずお昼を食べ、資料を受け取り、一人で家に帰った。

憧れだったこの場所。

高校3年の6月、動画を見て、ビビッと電流が流れた感覚を大事にしたくて、志望校に決めた。

当時の私には遥かに遠い場所で、口にするのもおこがましく感じ、なかなか周りに言えなかった。

9月に親に話した時、明らかに無理だろ、みたいな顔をされた。

「指定校にすればいいのに」「私文なんて」

周囲に言われたこの言葉が悔しくて悔しくて、絶対に受かって見返してやると強く決意した。

無事合格した、憧れの場所。

夢に見た理想の場所。

そう思っていたのに。

理想と現実のギャップが激しくて、私はここでは上手く生きられないと思った。

泣きそうになりながら、帰るために乗った電車である曲を聴いた。

女王蜂の「Introduction」である。

はじまらないからはじめた それだけ
何も怖くもないのに
怯えてはいられないでしょう?
ここまで来たら帰れない
心は誰も計れない
はじまらないなら
いつしかくたばるその前に
Introduction

女王蜂/Introduction

この歌詞に何度勇気づけられたことか。

そうだ。まだ始まったばかりだ。

恐れることなのかどうかはまだわからない。

泣き言なんて言ってられない。

そう思った。

今でも、自分はこんな大学生活が送りたかったのか、ここが理想の場所だったのだろうか、と疑問に思うことはある。

これからどう生きていこうか、迷ってばかりだ。

けれども私はこの選択を信じたい。

この大学に向けて頑張った勉強、抱いた感情はきっと無駄ではないからだ。

自分を信じること、すなわち自分の選択を信じることは、簡単なことではない。

それは私が一番よくわかっている。

でも、自分の選択に責任を取れるのは自分だけだ。

最後に私を守ってくれるのは、愛してくれるのは、私だけなのかもしれない。

そう思って、今日も迷いながら生きている。

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