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『大豆田とわ子と三人の元夫』


2021年春に放送されていた、『大豆田とわ子と三人の元夫』を観ての感想など。※重大なネタバレあり


大まかな内容は、バツ3の主人公・大豆田とわ子が、三人の元夫に振り回されながらも幸せを求めて奮闘する、新感覚ロマンティックコメディである。


1話の始まり、とわ子が歩いているシーンで流れる音楽が素敵で、うわあ....と声をあげてしまった。
そして開始3秒で、面白い!と確信した。松たか子さん演じる、大豆田とわ子が歩いているだけで、充分に面白さがあるのだ。
ナレーションがあるのも新しくてワクワクした。これは楽しいドラマが始まるぞ、と。


人物たちの関係性がとても面白く、滑稽で、全員が愛おしい。
とわ子の、元夫たちに対する接し方が微妙に違うのがいい。目をうすーくして見れば同じように見えるかもしれないが、実際人と人な訳だし、どの人にも同じ対応ということなんてあり得ないわけだから、そこがなんともリアルで。
しかも、元夫たちに対して直接名前を呼ばないのも面白かった。

このドラマのワクワクした幸福感は、丁度折り返しの回で突然暗くなる。
とわ子の親友、かごめが亡くなってしまう。
これはドラマで、作られた話だと分かっているのに、本当に自分に降りかかってきた出来事のように、私は固まってしまった。
こんなにあっさりと、見ていた人がいなくなってしまう。何も分からずに、ただいなくなってしまう。
とても辛かった。


かごめが亡くなってからのとわ子は、わりと淡々としているように見えた。直後の明るい音楽と共にお葬式の準備をしていたからかもしれないが。
だが、その後に出会う小鳥遊との会話で、かごめとのことを、
「誰にも話せないし、すごく孤独です。こんなんだったらそっちに行ってあげたいよ、って思います」と吐露する場面がある。そこでやっととわ子の底の気持ちが分かる。

また、とわ子と八作とのシーン。

八作「・・・・・・元気?」
とわ子「・・・・・・(薄く微笑んで)」
八作「・・・・・・」
とわ子「・・・・・・」
八作「ごめんね」
とわ子「(頷き)ごめんね」
八作「(頷き)おやすみ」
とわ子「おやすみ」
第7話より

この場面に全てが詰まっている気がした。
この時の、2人の"間"と表情が素晴らしい。

とわ子と八作の、3人で生きていこうよっていうところが凄く好き。

だからこそなのかもしれないが、とわ子と、とわ子の周りの人がみんな笑顔で幸せにいてほしいと強く思った。

最終話で、八作が「まあ、こういう感じってずっと続くものじゃないでしょうし」と言っていて、寂しさを感じたのは私だけではないはず。
なるべく、長く、このままみんなで一緒にいてほしいなと思う。

ドラマを観て、こんなに出てくる人みんな好きになることある??ってくらいみんなのことが大好きになった。今も奥渋に行けばオペレッタがあり、みんなに会えるんじゃないかと思える。そんなドラマに出会えたのはとても嬉しい。大好きなドラマだ。



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