20230507 『アメリ』を観る

連休(といっても私には土日の2連休だけなのだが)の最終日の夜、家で『アメリ』を観た。2000年頃の映画らしく、名作として名前は聞いたことがあったが、生徒の勧め? でいよいよ観ることにしたのだった。それで大変良い映画だった。感動といった趣ではないが、キャラクターが光り、ユーモアは冴えているし、ストンと落ちる物語である。

何と呼べばいいのかわからないが、アパートの同居人(実際には、同居人だけでなく、隣のアパートだったり、目の前の八百屋? だったりするのだが)たち一癖二癖あって、それで小さなエピソードが積み重ねられて構成される作品の一群があろう。たとえば「めぞん一刻」であり、『メアリ』のヒロインの愛らしさや笑いのセンスに彼の作品を思い出していたのだが、今度映画化されるという「水は海に向かって流れる」だってそうだし、好きな作品から思い出すと長嶋有に『夕子ちゃんの近道』という小説があった。もっと趣味に走れば、他には『リトルバスターズ!』とか……こうした、他人どうしの、他人としては異様に近い半同居的な関係と空間における、笑いと、恋愛を中心としたあたたかい人間模様。甘えのような憧れが根元にあるのかもしれないが、純芸術的なものであれエンターテイメントであれ、好きだなぁと認識した夜であった。

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