20220808 『新しい哲学の教科書』を読む

kindleで安くなっていた日があったので買った岩内章太郎『新しい哲学の教科書 現代実在論入門』を読んでいるが、おもしろい。そんなに熱心な学生であったわけでもなく、文学が専門だったらしい私が大学の講義で聞けたのはフーコーやドゥルーズやデリダの話くらいで、その後の現代思想というものについて、熱心な学生であった後輩に誘われて「存在論的転回」だとか「思弁的実在論」(当時は賢い学生たちがSRやらOOOやら見慣れない略称を使っていてかっこよかったものだ。ところで筆者は1987年生まれだというから、きっと当時かっこよく見えていた人々のうちにいたのだろう)だとか呼ばれるものを学ぼうとミシェル・セール『作家、学者、哲学者は世界を旅する』を読んだりしたがさっぱりわからず、取り残されまいと一人こっそりグレアム・ハーマン『四方対象』を読んでもさっぱりわからず、もういいやと思って5、6年が経ったのであったが、いつの間にか易しい入門書が出ていたようだ。再び(新たに)そうした原典にあたろうという気持ちにはなかなかならないが、新しい存在論というものの背景が見え、入口が見えてくる一冊。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?