2/21 祖母の訃報/『心は孤独な狩人』を読み終える

祖母が亡くなったらしい。ただ母からそれを聞く。確かなもの、現実的なものの何一つない死。長らく会っておらず、訃報を聞いて思いを馳せてみても、思い出すのは私がまだ幼少で、幾分か若かった頃の祖母の笑顔や涙ばかりだ。よく涙を流す人だった。忌引を取るか、と母に聞かれたが、葬式も出られないだろうし、仕事は立て込んでいて、そんな余裕もない。遠くで独りその死を悼もうにも、その死を感じる縁がない。

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心は孤独な狩人』村上春樹訳を読み終えた。大変な傑作だった。23歳の作家が、1940年にこれを書いたという、奇跡。

今でもなお、強く真なる目的は常に彼の内にあった。しかしそれについて考えを巡らせる暇がなかった。
しかしそれは短い眠りでなくてはならない。

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