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千三百年 紡いできたもの

琵琶湖へ

・・たまたま琵琶湖近くのホテル1泊2日宿泊券が当たり、行くことになったのは今年4月某日。
そういうの、応募することも、当たることもあまりないのでびっくり。

どちらかと言うといつも夫が旅の内容を決める事が多く、今回は私がプランを決めて良い、近くに比叡山もあるよ、と言われたので、神社仏閣好きの私は、迷わず比叡山に行こうと言った。

調べたら、比叡山はとても広いので、2日目の朝一から行くのがいいかなと思った。

1日目は・・
そういえば「君の名は」のモデルになったと言われている神社は大阪だったはず・・
場所を調べたらホテルから車で1時間ほどの場所だったので、
前から行きたいと思っていた「星田妙見宮」に決めた。
こんなに早く行ける事になるとは思わず、うれしかった。

神社とお寺ばかりでも大丈夫かな・・(しかもちょっと移動距離があるし)・・と一応夫に尋ねたけど、快く了承してくれた。

旅1日目・星田妙見宮

星田妙見宮は、816年に天から七曜の星(北斗七星)が降り、弘法大師空海が妙見菩薩をお祀りした神社で、「君の名は」のモデルとも言われている。

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境内はとても神聖な空気に包まれている気がして、すごく心地よかった。ここにいた鳥の声がほんとに綺麗だった。

実際に隕石が落ちた痕跡が残っていたり、その時の隕石とされる大きな岩がご神体になっていたり。北斗七星の守護星の観音様が境内のあちこちにまつられてて、自分の観音様を探したりするのが楽しかった。

自分の守護星の霊符と、綺麗な星のお守りも授かり、ほんと来れて良かったなぁーと思った。

この日は、この時点でまだお昼で時間があったから、近江八幡とか、琵琶湖とかを見てまわって過ごした。

旅2日目・比叡山延暦寺

比叡山延暦寺。

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私はこの時まで「延暦寺」っていうお寺のお堂があると思ってたけど、延暦寺は比叡山全体の事を指していると知った。まだまだ知らないことがたくさん・・

朝からスニーカーを履き、気合いを入れてやる気満々で、横川→西塔→東塔の順に、車移動&徒歩で回った。もう、広すぎて、端から端まで見た過ぎて、後半、時間がちょっと足りなくなった。

見どころの一つは、東塔の根本中堂だろうか。2026年までは改修中で、外観は覆屋に囲われているけど、参拝はできるし、改修中の屋根が見れるのは今だけなので、ある意味貴重だったかもしれない。

お堂の中には本尊・薬師如来像の前に灯る、3基の「不滅の法灯」があって、開創以来、1200年以上消えることなく灯り続けているという。

あとは伝教大師最澄が残した「一隅を照らす」という言葉にとても共感した。

「比叡山」も、「不滅の法灯」も、「一隅を照らす」という言葉も、1200年経った今でも残っている。何度焼き討ちにあっても。

この光りと祈りを、ずっと先の未来まで残すにはどうすれば良いのか分かっていて、意図していたに違いないと思った。想いをすごく込めた。そうじゃなければ、普通は形骸化してしまい、千年以上も残らないだろうと思った。

根本中堂を参拝したあたりで時間が無くなり、萬拝堂に入れなかった。108個の数珠玉に触って、煩悩を消したかった・・

色々勉強になったし、良い旅だった。

長谷寺で写経・御足参り

琵琶湖の旅から帰ってきて、しばらくしたらお寺がまた恋しくなり、久しぶりに鎌倉の長谷寺で写経しようと思い立った。

調べたら、長谷寺は今年でちょうど本尊造立1300年。

その記念に、なんと、ご本尊が全身御開帳され、しかもその観音様の御足に触れられるという。しかも、あじさい咲いてるし。しかも、いつもは赤い入口の提灯が金色になってるそうだし。

行くしかないと思って6月に参拝した。

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本来は秘仏(あまりに強い霊験を秘めているため、人目に触れないよう隠された仏像)なので、いつもは膝から下は隠れているという十一面観世音菩薩。しかもその御足に触れられるという御足参り・・

手ぬぐい越しではあったけど、なんか凄かった。

なんか・・急速充電されたような、ものすごいパワーもらったような。霊験あらたかすぎた。ずっと触れていたかった。

本堂を参拝した後は、あじさいを見て、レストランでお寺のカレーを食べた。お肉は入ってなくて、野菜&蒟蒻が入ってるカレー。

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午後は、写経場へ行き、般若心経の写経をした。(内緒だけど書きながらちょっとウトウトした・・)

長谷寺の後は、鶴岡八幡宮へ・・花手水と七夕飾りがきれいで、夏越しの大祓え前だったから、茅の輪くぐりもした。

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星谷寺

私は、ものごころついた時からなぜか「星」というワードも、星そのものも好きで、(幼少期に星の瞳のシルエット読んだ影響?)星が付くものが気になる。星田妙見宮もそう。

星谷寺(しょうこくじ・ほしやでら)というお寺が神座川県にあって、また行きたくなり、先月、今年2回目の参拝をした。

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星谷寺は、行基上人が奈良時代に観音様をお祀りしたお寺で、坂東三十三観音霊場の8番札所。

こちらは、「昼でも星が映るという星の井戸」とか「撞くところが普通は2つあるところ、ひとつという珍しい東日本最古の梵鐘」…とかの七不思議があったりして、見どころはあると思うのだけど、ひとけが無くて少し寂しい。

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このご時世だから参拝者少ないのかな?お墓参りの檀家さんは時々見かける。

こちらの仁王様はとてもかっこよい。美しい。

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目が煉獄さんみたい。(煉獄さんのモデルはたぶん不動明王なのだろうけど)

ん・・?

そういえば、今年行った4つのお寺・神社って、建立時期が、

みんな8~9世紀ごろだな、と気づいた・・。

星田妙見宮 816年

比叡山 788年

長谷寺 736年 本尊造立 721年 (1300年前)

星谷寺 729~749年

・・全部、奈良~平安初期1200年~1300年前の頃のもの。

仏教が栄えた時だし、その頃建立されたお寺って多いのかな・・たまたまかな?と思ったけど、なにか引っ掛かっていた。

銀河旋律

・・そういえば、高校の時、演劇部と茶道部をやっていたのだけど、
演劇部では「銀河旋律」という劇で、お天気お姉さんを演じたことがあった。
舞台は現代だけどタイムトラベルができる世界、という設定。
確か、万葉集の歌のメロディーを過去に戻って録音して、それを再現するみたいなシーンがあって、、それにも1200年前ってセリフがあったような。そのことを、先週くらいに思い出した。

とても素敵なお話だったし、ポスターとか台本の表紙絵とか、私が描いたので
台本はずっと取ってあった。
クローゼットの奥からその時の台本を探し出して見てみると、

「宮廷歌人も防人も東女も、千二百年前の星空の下で、この歌を歌っていた。けれど、メロディーだけは星空に消えて、時の流れを渡らなかった。」

というステキすぎるセリフが。

・・なんか色々シンクロ・・?してる?

(何かを調べれば調べるほど、他の今まで関わった事とか興味があった事も、シンクロ案件が数珠つなぎに出てきだして、とても怖くなる。本気で・・。頭おかしくなったのかと・・)

東大寺修二会

そしてひと月くらい前だったかな、Nスぺで東大寺修二会(お水取り)の 特集をやっていたけど、修二会って、今年で1270回目で、奈良時代に始まってから一度も途絶えたことがないという。天下泰安・疫病退散を願って始まった、世界で一つだけの儀式。
東大寺も比叡山と同じく何度か焼き討ちにあっているけど、焼き討ちにあっても、大阪大空襲が来ても、某ウイルスが蔓延していて実現がとても難しくても、1回も絶やさず続いてきた修二会。

ルーツは敦煌にあるらしいけど、敦煌では文献と、東大寺二月堂の内部と同じ構造の石窟は残っていても、儀式はもう行われていないのだとか。
それをルーツの場所から遠く離れた日本で、しかも1270回も奈良時代から一度も途切れることなく行われている。

本当に凄いことだと思う。

そしてそして・・先日行われたオリンピック開会式で、森山未來さんがしていたダンスは、修二会の、全身を打ち付けて祈る「五体投地」の動きをしていた様に見えた。


千三百年・・

なんだかここ最近ずっと、奈良時代の事にフォーカスされ、私に飛び込んでくること。期せずして比叡山に行けたこと。

どういうことか、ずっと考えていた。

不滅の法灯、一隅を照らす、修二会・・全部本質的には同じ様なことを伝えている気がする・・

人々が、もう苦しまないように、この先続く未来にいる人が幸せであるように・・

天と地と人が、千年以上紡いできた物語。

そんな折にちょうど鬼滅の刃の漫画を全巻読破して、自分の心境ととてもリンクしてしまって号泣した。「君の名は」も、つい最近見返して震えた。


千三百年前の奈良時代。

前世で生きてたとか?前前前世?

・・もしそうなら、たぶん、私の魂は単純に、その頃建てられたお寺とかが現在どうなっているのか、この目で見てみたかったのかな、と思った。

そして、何となくだけど、

その頃の心からの願いは、今にある気がした。


・・そして、もう叶っていると思う。

だって、千三百年経った2021年の今、きっと人は、

苦しみを選ばずに生きていけるはずだから。



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