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後ろ髪をひかれる。

派遣の仕事が尽きた。
なんちゃってフリーターも、いよいよ本格的なニート開始である。
こんな時は、あるバイトのことを思い出す。

それは看護師ではなく、夜というか、泡というか。
歌舞伎町であくせく働いていた時のことだ。

あがったもんはそうそう簡単に帰れない。
でも、いつでも歌舞伎町はそこで煌びやかに
誰でも受け入れる用意をして待っている。(ような気がしてならないのは元夜職あるあるなのでは?)

歌舞伎町は、かりそめすぎる出会いと、かりそめすぎるお金が飛び交って、愛も何もない、ただ金だけが弱肉強食に動き回ってる街だ。
でもなんだかやっぱりあの灯りを見ると落ち着いてしまう。すぐに誰でも受け入れてくれるからだ。

渋谷でも無くて、銀座でも無くて、五反田でも無い。
地元でもない。
歌舞伎町にはぬるりと生暖かい空気が流れている。

歌舞伎町での仕事が終わって、よく岩盤浴に行っていたけれど、その岩盤浴は既に潰れているし、

相席屋もなんだか違うようになっているし、ロボットレストランも無いし
ゴジラの麓では未成年がたむろし、ゲロを吐いてるし

色々とマイナーチェンジはしているのだけれど

何故かいつも同じ空気が流れている。

歌舞伎町に戻りそうになっていて、元職場の子と連絡をとっていたら

「やめなさい」

一言いわれて我に返った。

と同時になんつう会話してしまったんだと自分に後悔をした。

自分にとって歌舞伎町という存在が当たり前すぎている。


私は歌舞伎町ではなく、
私を大切に思ってくれる関係を居場所にして、
生きていかなきゃいけない。


アラサーなのに何言ってんだろうねえ。



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