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カニの脱皮と水星逆行


朱色に染まったみずみずしい身。
ぷりぷりとした舌ざわり。
見た目と裏腹、できれば濃厚接触、カニ味噌祭り。
〆に甲羅酒をキメればVictory。

人はカニを食べるとき、無心になって食べる。
カニと向き合っているから、口数も少なくなる。
あの黙々とした時間て、いつも不思議だなと思う。
カニの身をほじくり返して、殻にしゃぶりついて。

あの詰まった身は、カニの固い甲羅に大切に大切に守られている。
大体、固くて強い物に守られているものって、とても甘美だったり、柔かったり、弱弱しかったりするものであることが多い。


そんなカニ、久しく食べていないな、と思う本日14時頃から、水星が逆行を開始。
逆行とは地球上から見た時に、対象の天体の移動速度が違うために在る時点で、逆向きに進んでいるように見える現象のこと。
今回は水星でそれが起こる。
水星は個人天体の一つで、情報やコミュニケーションを司る星。
逆行が起こると、「停滞」・「混乱」・「遅延」・「復習」・「再開」など、モノゴトが少しイレギュラーな動きを起こす。
僕はこの逆行という現象は、一種の調整期間で、当たり前のものなんてどこにもないんだよ、というのを教えてくれているのだと思う。
水星の逆行は年に3度ほど訪れ、22日程度続く。
水星は特に足の早い星、翼の生えた靴を履いた伝令使、ヘルメスに愛された天体。
さてそんな水星が2020年、蟹座にて2度目の逆行を始める。

今回2度目の水星逆行は、とりわけ熱い。
状況的にはむしろ停滞感とか、ちょっとマイナスな雰囲気をまとっているよう(に感じるだけ)で、耳の痛い話、のような雰囲気。
見たくないもの、聞きたくないもの、フタをしたいこと、隠しておきたいこと、そういったものに目を向ける良い機会。
とくに蟹座は家族、隠されたもの、感情と縁深い星。
その蟹座エリアでの逆行だから、否が応でもそれらに焦点が当たる。
逆行が終わる7月12日までは、自分と自分の内側に眠る自分自身、そして自分を取り巻く近い人々との関係性を丁寧に取り扱うこと。
人によっては大胆に、ささやかに。
きっとこうなると自分が(他人も)喜ぶんだろうな、という内なる声を大切にして欲しい。

また6月21日に夏至を迎え、そこで蟹座の新月(しかも日食)が起こる、そうして7月5日に山羊座で満月(月食)を経て、7月21日にまた蟹座で新月を迎える。

カニは固くて強い甲羅に守られた内側が鍛えられて、それに見合った器を求めることで、脱皮をして外側を大きくし、成長していく。
今回の蟹座で起こる水星逆行、並びに2度の蟹座新月はまさにカニの脱皮のようなもの。
僕らの内なるものがそろそろ、大きくなる時だよ、とお告げを受けて、様々な価値観や枠組を壊して、より強く確かな存在になっていくためのプロセスだと思っている。

蟹座に星を持つ人や、水の星座が多い人は特に影響が強そう。
常に答えは自分の内側にある。
2020年の熱い夏の幕開け。


余談になるけれど、カニの旬はなんといっても、冬! に限らない。
実は花咲ガニと呼ばれる、北海道でしか食べれない幻のカニの旬は7月~9月と真っ盛りの夏とのこと。
北海道だからそこまで熱い夏ではないのだろうけれど。
食べてみたいな、花咲ガニ。
BBQの網の上のカニ。
見てみたい。


2020.06.18 青日タロウ

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