トイストーリー4を楽しめた人と楽しめなかった人の決定的な違い

おばんです。
Aohです。
今更トイストーリー4についてなんとなく言いたくなったので書きます。
ネタバレあるんで見たくない人は俺をフォローしてからブラウザバックしましょう。

ホントに大まかなあらすじ(ネタバレ含む)

記事タイトル的にも恐らく見たことある人しか記事を読まないだろうっていう想定なのでざっくりとで失礼します。
トイストーリー３で成人したAndyは、近所の子にウッディとゆかいな仲間たちを譲っていました。今回はその子の家族でキャンプに行ったわけですが、一緒に行ったおもちゃズはその先で色々てんやわんやがあるって感じです。

・声を出すための部品を失ったアンティーク店の人形がウッディの部品を狙ってきたり。ひも引っ張ると喋るじゃないっすかウッディ。「俺のブーツにはガラガラヘビ」っす。その声出すための機械をねらわれたわけっすね。

・どうやら既にどっかに寄贈されてしまっていたらしい過去の女(ボーピープ)が出てきたり。首根っこステッキでつかむぞガールですね。いなくなってからは各地を点々として色々あったようで、誰の所有物ともならない、公園などの公共のおもちゃをやっているようです。彼女はその役割を気に入っていました。

んで、途中色々端折りますが、最終的にウッディは
・アンティーク人形に部品はあげた
・ボーピープに付いていって誰の所有物にもならず生きていく
という決断をしました。
バズライトイヤーとは今生の別れです。
ウッディは無限の彼方へ行ってしまいました。

トイストーリー4を楽しめなかった人による感想

端的に言うと僕は4を楽しめなかったです。というよりも受け入れられなかったと言った方が正しいかな。別にミーハー根性で最新作だけ見て駄作だって言ってるわけではなくて、むしろトイストーリーはディズニーで唯一網羅してる作品でめちゃくちゃ好きです。それに、多分今作はそういう人の方が受け入れがたかったんではないかな。

というのも、ウッディはこれまで、誰かの物になっていることにこだわっていたんですよ。1,2,3とアンディの引っ越しになんとかついていったり、博物館への展示を拒んでアンディの家になんとか帰ったり、幼稚園に持ってかれちゃってもどうにか帰ったり。
その過程では誰も見捨ててはダメだというリーダー意識も持っていて、仲間は誰も絶対に見捨てませんでした。そういうやつです。自分が一番のお気に入りじゃないと気が済まないけど。そういうやつです。

そうやって何度も苦難を乗り越えて手に入れた移住先をそうやすやすと捨ててしまうのかって。違和感の正体は多分これ。そりゃ確かに、新たな持ち主は女の子だっていうのもあって、うまいことなじめてない演出はありました。
でもその演出が逆効果に感じてならないんですよね。そんな理由があったとしても、誰一人として仲間は見捨てなかった。それがウッディだったんですよ。そりゃバズがいなくなりゃっつって色々いけ好かないことした時期もありましたよ。でもそういうの超えて、大冒険してきたんですよね、自分が見捨てようとはしなかった仲間たちと共に。

もちろんアンディにこだわっていたっていうのはそうだとは思います。でも、そういう仲間たちと共に在りたいって思ってたのも、彼が持ち主のもとにいることをこだわっていた理由だと思うんですよ。

それが女の子にほだされたからって持ち主のもとを去るっていうのは。

そういう考えもあって、
ウッディは持ち主の好意が自分に向いていなかったことを云々
っていう意見は受け入れがたくて。むしろそんな理由がメインで抜け出したんだったら俺の知ってるウッディじゃねえって思っちゃう感じです。

たらたら述べてきましたが、要は
今までの作品を踏まえると、ウッディが持ち主のもとに戻らなかった決断が受け入れがたい。
ってことですね。あの最終決断はトイストーリーという過去作品の根本を否定された気がして、すっごいショックでした。

トイストーリー4を楽しめた人は大人。

あんだけ感情ぶつけてこき下ろしましたが、読んで欲しいのはむしろこちらです。
僕が好きな配信者の方が、トイストーリー4が公開していた当時にこんなこと言及していたんです。

「俺はトイストーリー4めちゃくちゃ楽しめた。
30代くらいの男が見終わった後に泣いていた。
そういう自立とかがテーマだからそういう年代にクリティカル」

これ聴いてああそういうことなんだなって納得できました。俺はまだガキなんだなって。ひねくれとか拗ねてるとかじゃなくてマジでそういうことなんだなって今になって分かります。
そういう風に割り切った決断を強いられる環境を生き抜いて生き抜いて生き抜いてっていうのが人生だし、ウッディの割り切れない選択への葛藤と成長が描かれてたんだなって思って見れば、なんていい作品だったんだろうか。

それを、
これまでの作品では絶対帰ったのに、なんで今回はバズと今生の別れ？
って言うのはちょっと違うんだなって思いました。上述したような背景を踏まえたからこそ、ウッディの決断の意味がむしろ強まるって考えた方が、この映画こき下ろすよりも当然100倍楽しめるわけで。

過去作品を引き合いに出して、
俺はトイストーリー好きだぞ！今作はつまんなかった！
っていうのは結局、自分は思い通りの結末にこだわっていた子供だったんだなって思い知らされました。

まとめ

・トイストーリー4を楽しめなかった人は人生経験が浅い
・トイストーリー4を楽しめた人は大人

言いたかったことはこれです。
大事なことなので言っておきますが、別にけなしてないです。俺も考えの浅いガキなので、今作は自分の気に入らない結末だったなと思っていた側の人間です。
でもそれが悪だとは思っていなくて、割り切った決断をしなきゃいけないなら”大人になんてなりそびれたままでいいの”って思います。

むしろ、トイストーリー4を見たときに楽しめなかった人もまた幸運だと思います。見た当時に何だこれってなった映画が、後になってボディブローのように効いてくるなんて経験は稀有です。いつかそういう映画に出会えていたんだって思う時が来る気がします。

トイストーリー4は年齢層によって賛否両論あって当然の作品。
そういう映画。否定していた人もいつかこの映画が好きになる。神作品