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いくつになっても人は愛に不器用だ♯10 最終回

社員旅行の日藤田君からもらった
宝物のような言葉達は
私の心を一瞬で満たした
夢じゃないかと思った
今でも夢かもと思っている
私でいいのかな?
なんて思ったりもしたけれど
一緒にいる時にニコニコしている表情や私を見る優しい瞳が
私に自信を与えてくれた

今日は、大地君の家に遊びに来ていた
二人で昼食を食べ
コーヒーを飲んでまったりとしていた
借りて来たDVDを見ようかと思っていた時
大地君の真っ直ぐな瞳が私を見つめる
目が合うとドキドキというよりは、ゾクゾクした
戸惑い、困惑していると
優しく微笑む
彼の手がそっと、指先に触れた
触れた場所から、まるで電気が、流れるみたいな感覚がした
そっと頭を撫で、髪の毛を滑らす
ゆっくりと前髪を掻き分けて
そっと額にキスをした
次に瞼に
次は頬に
軽く唇に
ひとつひとつ丁寧に
目を開けて視線が合うと
優しく微笑んで
指と指をそっと絡ませ
今度は長めのキスを唇に
触れた場所が熱くてこそばゆくて
心がじんわりと温かくなって
「…私で?いいの?」
「心春さんがいい」
その後は、大きな腕で優しく包み込んでくれた
ぎゅーって
胸に顔をうずめると
彼の心臓が早鐘を打っているのがわかる
余裕そうな顔に見えたのに
とても愛おしく感じた
こんな、大切に扱われた事ってあっただろうか
実感した
私、幸せだ

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