人見知りだけど営業職が気に入っている

自分に向いている職種は実際に数年間働いてみないと分からない。ありきたりでつまらないけど、この文章で言いたいことは「石の上にも3年」は自分の場合は真理だったってことです。

新卒の頃、営業は絶対に避けたい職種だった。毎月ノルマに追われてお客さんにへこへこする泥臭いブルーカラーな仕事というイメージがある上、自分は人とのコミュニケーションが苦手意識があったから。初対面の人と話すのは緊張するし、目上の人と話す時は無駄にビビっていた。自己分析では、1人で黙々と作業するような職種が向いておりコミュニケーションが重要視される職種は向いていないといった結果が出て、自分でもその通りだと思った。

知的でクールなイメージに憧れてマーケターを志望して就職した広告代理店では、希望に反して営業へ。というか大きな企業ではないので総務、経理以外は全員営業だった。
仕方なく営業マンとして働き始めたが、お客さんの言ってることも上司の言ってることもナンモワカラン状態で毎日怒られていた。
お客さんの言ってることが分かるようになっても、それに対して何を提案すれば良いのか見当つかず、売り上げゼロ円の月が続く。どうすれば一人前に働けるのかの道筋も見当つかなかったから途方にくれていた。
やはり自分に営業は無理だから、企画や提案書作成で価値を出そうと思って取り組んでみたものの、的はずれなアウトプットばかり積み上げ、自分は営業どころか何も出来ないんだと痛感して帰りの電車で泣く日もあった。会社に対して何の貢献もできていないからクビになってもおかしくなかった。

ただ仮に企画やマーケティングが一人前にできるようになったとしても、結局は仕事を獲得できないと何も始まらない。将来マーケターになるとしても(未だにマーケターって具体的に何をやるのか分かっていないが)、営業スキルを身につけないと立ち行かなくなる予感がしたから辞めずに続けていた。
すると3年目頃からお客さんとまともにコミュニケーション取れるようになり、売り上げもそこそこ立てられるように成長。営業が好きになった訳ではないが、苦手意識は薄れて特別苦痛を感じる場面は少なくなった(これが成長なのか感性が鈍った結果なのかは不明)。相変わらず人見知りだし、目上の人との会話は苦手だったが、それらは営業にはさほど関係ないことにも気がついた。そして営業ができるようになると企画や提案書作成なども多少はマシなアウトプットが出せるようになっていた。

色々あって退社して今はイギリスの広告代理店に就職。ポジション名は「PR &マーケティングコンサルタント」だが営業も担当している。前職とはタイプの異なるお客さんと対峙するのは刺激的。前職よりもさらに小さい企業のため個人の裁量が大きく、楽しさすら感じている。この楽しさを分かるような職場で働けているだけでもイギリスに来て良かった。

仕事はルールを覚えて一通りプレイできるようになると楽しくなり、そのレベルまで進むには平均して3年ほどかかってしまうのだと思う。成長するのに必要な期間という意味もあるが、自分のマインドがその職種に最適化されるのに必要な期間という意味もある。
自分は何事も要領が悪いし周囲の人とのコミュケーションも得意ではないから営業を始めてからその楽しさを分かるのに約5年もかかってしまったが。

今後転職する時がやってきたとしても、おそらく営業職を希望するでしょう。

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