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透明な朝に

雨上がり 水を掬う手で
木漏れ日の温かさを確かめた
あの空は誰のものなんだろう?
木漏れ日の温かさが懐かしい

さっきまでそこに居たことが
不思議なくらい突然の別れだ

冷えきった掌の感触を思い出す

透明な朝に 貴方は消えてしまった
どうか どうか 何も変わらずに
特別なものになってしまうのかな
どうか どうか 側にいてほしいよ

時間は流れ続ける
気が付かないほどに少しずつ
形は変わり続ける
気が付いた時にはもう戻れない

貴方の一瞬の命の間に
たくさんもらった
私は何かを渡せたかな
何を渡せるかな

透明な声に 耳を澄ませてみる
そっか そっか 何か聞こえた気がした
人づてに聞いた 私の知らない貴方も
もっと もっと 知りたかったのに

透明な朝に 貴方は消えてしまった
どうか どうか この声を届けて
これからは貴方に 日々近づいていける
どうか どうか 追いつくから待ってて
どうか どうか 最後の先で会いましょう

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