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「隣人が気持ち悪い」第4話 小説


音が丸聞こえが気持ち悪すぎる。しかも調べたところ、木造、鉄骨のアパートは騒音トラブルが多いようだ。鉄筋ですら音が五月蠅いと悩む人がいるほどだ。しかも、アパートだけでなくマンションの騒音被害も多くネットで数多くの怒りが某サイトの口コミ欄に書かれていた。なぜこんなに壁が薄いのか調べて見ると、アパートを建てるときにコスト削減できるのが壁であり、大家がコスト削減のために手抜き建設というわけではないがそういう建物が多いとのことだ。

防音シートを使えば少しは良くなるかと思って、調べると遮音、防音、などいろいろタイプがあるようだが効果はいまいちらしい。石膏を壁の内側に壁と距離を置いてやるのが防音専門業者のサイトにいいと書いてあるがそんな工事はさすがにできない。つまり、方法がない。
騒音の聞こえる壁側に棚などを設置すると音を削減できるとあるが、すでに、本棚と衣装ダンスが置いてある。隣人側が壁を叩く音が聞こえるので、向こうが何も置いてなく音が聞こえるのだろう。

某日、二十時五十七分。隣人がロフトで「ブーーーーー」と音を出す。最近ほとんど毎日やっている。悪質な嫌がらせだ。明らかにわざとやっている。私が寝ようとするタイミングでロフトに居る隣人が気持ち悪い。
二十一時三十分。ロフトで隣人がせき込んだのでロフトに居ることが確実になった。以前はロフトに居なかったし気配もなかった。

試しにロフトに途中まで上がってみると隣から「ガタガタ」と慌てるような音が聞こえた。ロフトの副照明を付けて下に降り、気持ちが悪いので下のソファーで寝ることにした。そしたら寒くて、夜中の三時に目を覚ましてしまった。仕方なくロフトで寝た。

それから二日後、二一時過ぎにまた「ブーーー」という音が聞こえた。それも数回。こちらの様子を伺っているかのように。この日はロフトではなく下から音がした。
二一時九分、壁を「ドン」と叩かれた。
二一時四九分、私がロフトに行き布団に入る。
二二時五一分、隣人が電話をし始める声が聞こえてきた。
二二時十七分、電話が終わり静かになった。
二二時三一分、「ドン」と音がした。
二二時三九分、笑い声が聞こえる。
そして、薬の効果が出てきて私は眠りについた。

悪質な行為は傷害罪になる。但し、証拠が必要である。

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