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駅のような存在

駅はその土地の玄関口で、
その場所の風情、情感を代表する存在だから、
男と女が初めて会って一目惚れするように、
旅人がまずその駅に降り立って感じる旅情の重要性を考えれば、
駅のたたずまいをおろそかにしてはならない。

駅は様々な物語の舞台となり、
出会いの場所であり、人生の象徴ともなり、
誰もが自分の住んでいる町の駅とは別に、
大切にしている駅がある。

たとえばとっても大切な人に初めて会った場所も
最後に別れた場所も駅であることはよくあることで、

何年かたってその駅を再び訪れたなら、
その駅にその人がいないことに寂しく感じたりもする。

大好きな人がいつも利用している駅に来たなら、
その人がそこにいなくても、どこか心が躍ってしまう。

日本中、世界中至る所にある駅。
それはそれぞれの個性あふれる極彩色。

毎日使う駅、一度だけ旅で訪れた駅、
ただ通過している駅。

それは人との出会いにも似ているから、
人もそれぞれ、たとえば、
新幹線の駅、
大きなターミナル、
あるいは私鉄沿線の各駅しか止まらない小さな駅、
あるいは田舎町の無人駅、
などの駅にたとえられる。


それなのに、
新幹線の駅はどこに降りても似たような作りで、
表参道駅のように妙に近代化されてしまった駅や、
渋谷駅、横浜駅のような伏魔殿に化した駅が増えている。

駅は使う人によって価値観が変わり
便利性も違うもの。

あなたにふさわしい駅があるのなら、
私はあなたに似合う情緒ある駅でありたい。

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