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艶めく女

強烈な寒波が日本を襲うという予報を聞いて、
春めく季節の早い到来を待ち望んでしまう。
季節のうつろいは早いのから、
ほんのもう少しの辛抱なのだけど。

春めく、冬めく
「めく」というこの2文字だけで、
情況が変化する様を詩的に伝える言葉。

「春めく」なら、小さなぬくもりを感じながら肩を並べる恋人や、
「冬めく」なら、身を寄せ合って体を温め合う恋人の情景が浮かぶ。

男と女が出会ったときに、
その心の中に、恋の蕾がほのめいて、
手を握り合っただけで心はざわめいて、
心にひしめきあう葛藤と欲望に、
きらめく口づけを交わしさえすれば、

あとはめくるめく情交を楽しみ合う関係に。

季節がうつろうように、
男と女の間の心も体も情況が変わるもの。

できれば心が冷めて行くのではなく、
二人の間の変化を楽しみながら常に、
心をゆらめかしながら深めていきたい。

あなたが私に抱かれて、
どんどん艶めいて行くのを、
春めいた日差しのぬくもりのように、
冬めいた空の星の美しさのように、
ずっと眺めていたい。

艶めく。

つやめく、
あるいは、
なまめく、と呼ぶ。

それは女が男によって、
だんだん、
どんどん、
変わって行く様が目に浮かぶ。

あなたの艶めく姿を見ていたい。
そしてずっと
ときめいていたい。

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