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東京都知事選挙2024 分析② 石丸伸二


はじめに

 今回は石丸伸二の特集です。選挙期間前は小池と蓮舫の争いと打ち出すメディアが多かったですが、蓮舫の支持が広がらず小池1位は確実視されていきました。国政政党支持のある蓮舫が2位なのか、と考えたくなりますがNHKが7月4日行った票読み会議では小池258万票、石丸158万票、蓮舫114万票との結果が出たとされ(※1)、蓋を開けると、石丸が約166万、蓮舫が約128万で石丸が安定して2位でした。
 下の(図1)期日前投票日別グラフを見ると、そもそも初めから小池は1位安泰で石丸が蓮舫より優勢だったことが見て取れます(※2)。13日夜、自身のインスタで蓮舫は、国政選挙はもう考えていないという意思を述べました。

(図1)期日前投票日別グラフ

 石丸2位という波乱の背景に何があったのか?投票の傾向を明らかにしていきます。

集計方法

 こちらの記事を参照してください。

石丸伸二データ集

 まず得票率のマップを載せ、その後社会的背景との散布図を掲載します。

得票率

石丸伸二得票率

 東京23区のうち、港区、渋谷区、目黒区、中央区、新宿区、世田谷区、品川区など、地理的に言うと南部で特に高く、そこから外れるほど低いという小池と対照的な結果となりました。ただ多摩地区最大の市・八王子市は23.93%と23区並みの水準です。

老年人口割合

石丸伸二得票率-老年人口割合

 高齢者の多い地域で票が入らない傾向がはっきり現れました。安芸高田市で高齢者の多い議会と対立した典型的ポピュリストであり、当然とも言える結果です。

単独世帯割合・子育て世帯割合・実質単独世帯割合

石丸伸二-単独世帯割合
石丸伸二-子育て世帯割合

 単独世帯の多い地域からの得票率が高くなっています。老年人口割合が小さいほど、単独世帯割合も小さくなりますが、この影響はどこまであるでしょうか。

石丸伸二-実質単独世帯割合

 同世代との間で見ると、世帯の種別はほとんど得票率に影響していないことがわかります。言い換えれば、同じ世代の間では、多種多様な世帯から支持を集めている(世帯種による分断が少ない)といえます。

外国人人口割合

石丸伸二得票率-外国人人口割合

 小池とは反対に、外国人の多い地域でやや得票率が高い傾向にあります。

平均年収・実質平均年収

石丸伸二-平均年収
石丸伸二-実質平均年収

 平均年収で見ると、高い地域ほど得票率が高い傾向にあります。しかし同世代で比較しての実質平均年収ではほとんど影響がありません。年収による分断は少ないといえます。

まとめ

 東京23区の特に港区、目黒区、中央区、新宿区、世田谷区など南部で得票率が高く、そこから離れるほど得票率が下がる傾向。ただ八王子市は23区並みの水準でした。老年人口割合が大きい地域で得票率が下がる傾向が明瞭に現れ、それに従い単独世帯割合・平均年収も大きい地域ほど得票されました。一方で、同世代の比較とするとそれらの影響はほとんどなく、世代間の分断は強く生むが、同世代の間の世帯種や収入の差異による分断は少なかったと見られます。

注意書き

(※1)現代ビジネス 【東京都知事選】小池百合子vs.蓮舫は圧倒的に「小池優位」…「反自民・非小池」の風呂敷はあまりにデカすぎたhttps://gendai.media/articles/-/133303?page=2

(※2)NHK 東京都知事選挙 20実質単独世帯割合 まったくばらばらで世帯構成と得票率の関係性は認められません。

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