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東京都知事選挙2024 分析⑨ 桜井誠



はじめに

 最後に紹介するのは日本第一党党首・桜井誠です。桜井は公約として外国人生活保護の即時停止を掲げました。元在特会会長であり、長年に渡り外国人の排斥やヘイトスピーチを行ってきた人物です。近年は体調を崩したことで人工透析が必要となっています。そのため選挙活動が制限されました。NHK政見放送では身体障害1級を公言し24時間テレビに苦言を呈する場面が見られました。
 前回の2020年には17万票以上を得るも、今回はその半数未満に留まりました。栄枯盛衰の趣を感じつつ選挙データを見ていきましょう。

集計方法

 こちらを参考にしてください。

桜井誠データ集

 まず得票率のマップを載せ、その後社会的背景との散布図を掲載します。

桜井誠得票率

 東京23区東部で得票率の高いエリアが目立ちます。特に得票率が全候補者中5位となった足立区はクルド人の多い川口市と隣接しています。繰り返し立候補しており知名度は比較的高いと思われ、東京23区東部の他はおおむね同程度の得票率になっています。

老年人口割合

桜井誠得票率-老年人口割合

 老年人口割合が大きい地域ほど得票率が下がりますが直線性は弱いです。

単独世帯割合・子育て世帯割合・実質単独世帯割合

桜井誠得票率-単独世帯割合
桜井誠得票率-子育て世帯割合

 単独世帯割合の多い自治体ほど得票率が高いです。

桜井誠得票率-実質単独世帯割合

 世代を揃えても引き続き、実質単独世帯割合の大きい地域ほど得票率が高い傾向です。

外国人人口割合

桜井誠得票率-外国人人口割合

 桜井は排外主義的主張を長年続けてきた候補です。その候補に対して、外国人人口割合が大きな地域ほど得票率が大きな傾向が強い直線性をもって表れています。蓮舫や田母神でも書いたことですが、外国人人口の増加によりヘイトを許さない!となるどころか、大衆の底流にヘイトが渦巻くということが今回の選挙で視覚化されました。
 外国人人口が前回の選挙時より増えているにも桜井が票を落としたのは不自然にも思われますが、まず自身の体調不良がデバフとなっていること、そして桜井といえば外国人ヘイトの中でも特に嫌韓のイメージが強く、近年のブームは嫌韓からクルド人ヘイトに移行しており、時代に取り残されてしまった感があります。そのため全体で見ると落ち目になりますが、外国人に嫌悪的な候補には変わりなく局所で見ると外国人人口割合が高いと排斥感情の強い有権者の受け皿として機能して投票されやすくなるということです。

平均年収・実質平均年収

桜井誠得票率-平均年収
桜井誠得票率-実質平均年収

 そのままだと傾向が見えませんが、世代を揃えてみると実質平均年収が高い地域ほど得票率の低い並行が強い直線性を持って表れます。貧困層から支持されやすいということを示唆した結果です。

まとめ

 得票率については東京23区東部で高く、他地域では概ね同程度です。老年人口割合が大きいほど得票率が下がる弱い傾向があります。世代の調節の有無に関わらず、単独世帯割合の多い地域、平均年収の少ない地域で得票率が高い傾向です。外国人人口割合が大きい地域ほど得票率が上がる傾向が強く見られており、外国人が増えると民衆の間で排斥感情が駆り立てられることを浮き彫りにしています。


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