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もっと真面目にやればよかったという定期反省


 寒くてうまく眠れないまま朝を迎えた。私の部屋は冷蔵庫になってしまったのかと思った。体が芯から冷えているので、吐く息が白くなるのではないかと思った。体感は冬だった。もちろん呼気は白くなるはずもなかったが、このままでは悪寒すら感じてしまう気がしてそそくさとシャワーを浴びた。温まったけれど、風はよく通る家なのでひゃ〜〜っと冷えた。換気が好きな家族。お構いなし。でも待って今日は流石に寒い。閉めただけで体感温度が違う。当たり前だけど。


 今日はとある資格を得るために講習を受けてきた。午前10時から午後5時まで。座学を受けることが久々だったので緊張したけれど同時に楽しみでもあった。大学時代を思い出しながら向かった。筆記用具を持って出ていくこと自体が久々だった。ただ、どれだけ人数がいるかわからないので、パニックにならないかは気がかりであった。大勢に囲まれることを想像するとややヒュッとなったので想像することをやめた。成り行きに任せよう、と決めたのでその後は何も考えないようにした。

 いざ行くと座席は中央の列の一番前だった。どうしようもない席。受付の方にちょっと笑われた上に『頑張ってくださいね〜』と言われ、何を笑うとこやったんだろうと思って向かったらなるほどとなった。笑わんでもいいやん。あなたたちが割り振ったやん。でも確かに学生時代だったらそこそこに萎える席。いつも前の方ではあったけれども一番前は嫌だった。半分から前と一番前では全く心構えが違う。でも、周りに誰もいないと思うと気が楽だった。パニックにはならずに済んだ。隣に座ったおばちゃんと会話もできた。優しい人だった。

 講義といえばスクリーンを見て授業をスライドショーで進められるだろうから眼鏡持って行っておこう。見えなかったらもったいないし、と思っていたのに、心配は杞憂に終わったどころか見えすぎて困った。講師ともよく目が合った。スライドの切り替えが早すぎて書き取れなくって、びっくりしていた表情すら読みとれたのかスライドを戻してもくれた(これでも書き取れていた方だと思うが本当に早かった、テキストにはないんですけど大事なんですという割に容赦なかったあの先生、穏やかな喋り方しているのにやってることはドSだったな)

 とはいえ興味のある分野の講義だったので一日楽しめたし勉強できてよかったと思った。

 資格を貰えて一安心した帰り、今日は西加奈子さんの新刊が出る日だったので、昼休憩の時間に在庫を確認したら入荷してあるとのことだったのでワクワクしながら行ってきた。無事お迎え。

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 『夜が明ける』

 西さんの自作の絵がまたいいパンチ。とてもインパクトのある表紙で、見つけたときによっしゃ!と小さくガッツポーズをした。待ってた。ほんと待ってた。西さんの作品は全てパワーがある。エネルギーに溢れている。惜しみなく分け与えられている。『 i  』や『サラバ!』、『通天閣』なんてすっごい。『うつくしい人』は私にとっての慰めの本なのでエネルギーというよりは漢方薬のような存在。今回の作品はどうなのだろう。楽しみ。ドキドキする。いいパワー分けてもらおっと。

 ほくほくした気持ちで帰宅したのだけど、案外疲れていたらしく放心していた。そうしていると時間がぴゅんとすぎて、ご飯を食べることを忘れていたのだけど、ラップに包んで冷凍するはずだった茶碗一杯分のお米を見つけたのでそれを食べた。以前作っておいた生姜の佃煮をお供にした。生姜のジンジンする辛みで、どうにか何かしらを使って温めてもらいたかった。だって帰り道も寒かった。

 え、もう冬ってそこにいるのですね。秋はどこに行きましたか。もういないですか。もう少しいて欲しかったのですけれど。まだいますでしょうか。いるならば出てきてください。その窓から入ってきてください。


 西さんの本を読もうと思ったけれども、今は私の気力がない。落ち着いてはいるのだけれど、明日読もうと思う。

 カラマを限界まで読んだら今夜は終わりそう。読み切る気力はない。早く4部にいきたい。なかなか分厚いじゃん?詰まってるじゃん。講習の休み時間にも読んでいた。カラマ家は家族それぞれに意思が明確に違っていて、どの人の言い分も考えもなんか説得力が全力であるというか。神の力なのかなんなのか、宗教的なものがいい意味でも悪い意味でも影響されているのだから、そうなるとまだほとんど無知に近い私にはちんぷんかんぷんになっちゃうときもあるわけで。なんだこれはどういうことだ、アンダーライン引きまくってしまっているよ、こりゃ勉強ノートが必要だ!となっていろいろ書いていて、でも、書いているんだけどわかってない!という感じ。それがまた自分の探究心というか興味関心的なアンテナが強くなって、あれもこれもと色々広げ始めて止まらなくなる。いや、止まらなくなっている。すでに手広くやってしまっている。ははは。笑うしかない。静かにマニアックゾーンに入ってるよ。よりよく楽しい時だ。

 ストーリー(起承転結)を楽しめる小説もあれば、登場人物と読者である自分の内面的な部分に触れることができるとっても繊細な小説もある。そしてこうして学びたくなる小説もある。理解度が高まると解像度も上がる。ドストの小説ってそうよね。なんかそんな気がするだけやけど。まだ罪と罰だけやけど。読めてるの。カラマがあまりにも深くてめっちゃわかった気になってる。そんなはずはないので初心忘るるべからずやと心に刻みなおした。


 明日も寒いだろうから、今日から分厚い羽布団をかぶって眠ることにする。


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