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バス停の2人

ここ最近はすっかり人肌恋しい季節である。

私は連日の激務にど疲れして帰りのバスを待っていた。

小雨がポツポツと降る中、その二人はバス停の屋根の下にいた。

私は少し離れた所で1人傘をさしバスを待つ。

高校生くらいだろうか?

男の子はジャージを着ているので運動部なのかもしれない。

小動物のような可愛らしい女の子と楽しそうにお喋りしている。

最初は寄り添っていただけの2人だったのだが、次第に二人はいちゃつき始めた。

男の方がとても積極的である。

女の子の頭をずっとなでなでしている。

肩から背中へとなでなでしていき、最後は人目も憚らず抱きしめてしまった。

破廉恥!

隣にいたおじさんもその二人に気づいたようで何故かその場を離れる。

かと思いきや、よく見える場所(私の隣)へ移動した。笑

最近の若者は人前でこんなにいちゃつくものなのか。

あまりにも男の子の方が手慣れている気がする。

なんて、若い二人を観察するど疲れアラフォーおばさんが少女漫画で見るような風景を目の当たりにして心にダメージを負っている。

そうこうしているとバスが来た。

女の子がバスへ乗り込む。

どうやら女の子の見送りにきていたようだ。

てっきり最後までしっかり見送るのかと思いきや、男の子はさっさとその場を後に歩き出したではないか。

え!?さっきまであんなにイチャイチャしてたのに?!

バスが走り出す前に男の子は行ってしまった。

バスに乗り込んだ女の子は姿の見えない男の子をずっと探している様子だった。

私もきっとその女の子と同じ気持ちだったであろう。

もっとちゃんと最後まで見送れよ!

なんて余計なお世話だろうが。

見送るまでがデートである。

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