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「陰口を言う権利」、それとコミュニケーションの基本

最近よく顔を出していたゲームのグループが解散した。原因は、陰口であった。


※登場人物は全て実在するが、全て伏せ字にする。
※この文章は事情を知り得なかったギルドメンバーおよび一部の当事者に開示するためのものであり、私自身は中立のつもりでこの記事を記述する。
※時系列は曖昧である。
※「何正義ぶってんだ」という意見が飛んできそうなものだが、私には私と仲のいい人に正しく聞こえる情報が、一定数の人には一定数の人に正しく聞こえる情報が交錯している中で、私が見えるところから状況の整理を試みる必要があると感じて書いたものであり、正義感から書いたものではない。また、私はどちらの側にも「全面的には」賛同しないし、文中に個人の感想も含む。


私がその問題のグループに入った時、活発なところだと思った。通話にはいつも同じメンバーがいるが、新しいメンバーを排斥する様子はなかったし、平和なところだと思っていた。
メンバーの何人かはペアネームをしており、仲睦まじかった。

この数ヶ月、他にも色々なメンバーを迎え、平和に過ごせていると思っていた。

問題の発端

常連メンバーの中で今回の問題の中心となったのは、A、J、Kの3人である。
私は3人とも仲良くしていると思っていたが、どうやら違ったようだ。

Aは実のところJ、Kの両名に実は嫌われていた。理由は多岐にわたる。
いろいろな理由があると思う。通話中に好きな曲が流れ出した時にAが歌い出すのが嫌いだった。それに、Aは好きな人がすぐ変わった。振られては、また別の人を好きになり、悶々とし、告白をし、振られる。
他にも、AはJとKに頻繁に毎朝LINEを送信しており、それが二人にとっては疎ましかったようだった。

ただ、JとKはAへの嫌悪感を表に出すことはなかった。曰く、「ギルドにトラブルを持ち込みたくなかったから」だそうだ。(1)

そしてある日、Aが歌い出すとJとKが「うるさいぞA」と言い出した。(これはこの時初めて言われたのでも攻撃的な口調及び文脈で言われたのでもなく、割と普段からこういったことは言われていたらしい)
その時、Aがいつもとは違った様子で通話から抜けた。いじけているようだった。

その後、JとKは通話をしている途中でAについての話になった。内容としては、ふたりとも実際問題Aのことが嫌いだったことを再確認して、Aの悪口大会に発展したのである。Aのここの部分が「陰口」に該当したようである。(2)

この後、Aはゲーム内のタイムライン(誰でも見ることができる)で「嫌いなら嫌いってはっきり言えよwwwwwwwwwwwww」や「面と向かって悪口いうこともできないんだな」などの発言をした。(3)

このように言われたJとKは、Aが先に公開の場で攻撃を始めたことを理由に口論が加速し、コメントで反撃に出た。「Aの肩持ちすぎ」などのコメントが残された。

後日、このトラブルがグループのリーダーであるMに知れ渡った。Aが個人的に伝達したそうである。(4)これをきっかけに、内密に話し合いが行われることになった。

その話し合いの通話で、JとKはAへの不快感をあらわにし、これまでにされてきたことで不愉快だと思ったことや、Aが先に攻撃を開始した事実について述べた。一方でAとMはJとKも後に反撃に出たこと、JとKが通話で陰口を言っていたことなどを述べた。

結果として、A、J、Kは「ギルド内で喧嘩しない」というルールに違反したとして、全員後日追放されることになった。

しかし後日、成行で改めて話し合いの場が持たれた。ここでJとKはMも悪口をタイムラインに投稿していたと反論した。その結果、Mは責任を取ってグループを解散することにした。(5)Discordは即時解体された。

ここまでが事の顛末である。

それぞれの行動・立場・主張

ここからは新しいメンバーも登場するので、都度簡単な紹介も行う。

JとK

Aが嫌い。理由は上述の通り。Aがサーバーから消えれば解決する。
Aが最終決定権のあるMに対して直接先に訴えかけたこと、またH(後述)を利用して陰口を言っていたことを特定させたことについてはこちら側に不利になる事情であり不当だと考えている。

A

不明。本人からの情報がほしい。

M

Aから情報を聞いたので、JとKが悪いと考えていると思われる。喧嘩を起こした当人は全員悪いと思っている。

H

JとKの陰口を聞き、ギルド内で喧嘩が起きることを察知してAとMに知らせた。これは推測だが、グループ内で起こる喧嘩がなくなってほしいと考えての行動だと思われる。

O

J、K、Mのいずれにも反対の立場だと思われる。JとKは陰口を裏で言っており、Mはリーダーとしての責任を放棄していると考えている。また、一番の被害者は非のない他のメンバーだと主張している。

それぞれの言い分

JとK

大前提として、Aから不愉快なことをたくさんされてきた。具体的な内容は上述のとおりである。

A

不明。本人からの情報が欲しい。

M

1.喧嘩両成敗となるべきである。
2.私も攻撃的な投稿をした。私にはグループのリーダーである資格がない。よって、責任を持ってグループを解散するべきである。

H

不明。本人からの情報がほしい。

※Oは当事者ではないため割愛する。

結論

最初に断っておくが、私がどっち側についているとか、誰に有利な立場であるとか、そういったことを明確な根拠なく決めつけてメッセージを送信してくることは極めて無礼なことである。そういった態度を取る者に対しては私も相応の態度で対応する。

人による情報の多寡については、私が見聞したものによるので偏りがあることは否めないが、この投稿はすべての当事者に公開され、それぞれのメッセージを聞きながら私が整理しているので、情報の偏りを理由に攻撃するのは意味不明である。内容を無視、改訂を拒否する場合はその理由を掲載する。

それを踏まえた上で、()の番号で囲った個別具体的な事項について感想を書く。

(1)については、後述する抑圧的な平和とは別に、「グループを平和に保ち、他の大多数の人に迷惑をかけないようにする」という善良な意思によって行われたものであり、善い行いであったと思う。

(2)についてはタイトルにある「陰口を言う権利」だが、私は正当に担保されうるべきものであると信じる。

根拠なく人を傷つけることは誹謗中傷に当たり、性自認や身体的特徴などについて否定的な事を言うことは差別にあたる。しかしこの陰口の内容は、8割程度がそのどちらにも当てはまらない内容であった。

誰かが誰かを好きでいたり嫌いでいることや、その立場について表明すること、そしてそれを誰に表明するかは倫理的なことを無視すれば自由である。その自由がなければ、不愉快な振る舞いをする人間が一人いても、他の人は我慢と受容を強いられることになる。

(3)については、誰がどう見ても明確にAが悪い。JとKは善良な意思によって態度を抑圧していたにも関わらず、Aは先制攻撃を仕掛けた。それも、直接的ではない方法であったのだから卑劣である。擁護のしようがない。(4)についても、どのように伝えたのか一切証拠がないので確実なことが言えないが、公平な手段での伝達に見えないことは確かである。

(5)については、良い点と悪い点を両方内包している。「自分も悪かった」ことを認めてギルドを解散する点を見れば潔い、公平とも言えるし、その後ギルドを一方的に解散し、対話の場を強制的になくしたことは愚行である。

以下は、それぞれの個人について思うところを述べる。

JとKの言い分は正当であると思うが、攻撃をしたのはよくなかった。ただし、Mは仮に攻撃をしなくても二人を追放した可能性は十分にあったのでなんとも言うことができない部分はある。

また、発言の一部に身体的特徴を揶揄する物が見られたが、私はこれについては断じて同調しない
「望んでもいないのに送りつけられてきた」という背景があることを私は知っているので気持ちはわかる。しかし、どんな場面であっても、どんなに非人道的なことを行う人間であっても、そういったことを差別的な含みで口に出すことは許されてはならない。それがたとえ嫌いになった原因ではないとしても、それは超えてはならない一線である。

Aは、独りよがりな行動をし過ぎである。
最終決定権のあるMに自分の主観を伝えたり、Hに偵察に行かせること、先制攻撃をしたこと、このことに関連してグループ内でゲームの途中に一方的に離脱を宣言して実行すること、誰かに好かれていると思いこむこと、全てが独りよがりな行動である。

Aは自身の適性についての理解が浅く、コミュニケーションに難があるように見て取れる。適性なトレーニングを行う必要がある。また、この件で不愉快な思いをしたことが何人もいることを決して忘れてはならない。少しでも今回の事件から学んだことを教訓にして、今後に生かしてほしい。

Mは自分は中立のつもりでいるが、決して中立ではない。理由は複数挙げられる。

まず、「いくら嫌でも愚痴るのはダメでしょ、我慢するか心の中で思っとくだけ」と発言したにも関わらず、自身は攻撃的な投稿を行った。これはダブルスタンダードである。

他にも、このことについて話した会議の後でAと二人で残って通話を継続していた。結論が出た後とは言え、なにか裏で打ち合わせをしていたと考えられても全くおかしくない行動である。
その後にも、Aに対してのみ謝罪を行ったり、態度が全く公平ではない。

そして、最終的に2回目の話し合いの時に一方的に「グループ解散」「問題を起こしたメンバーの即時追放」「Aへの謝罪」を口にし、グループからさっさと離脱した。これは対話の放棄である。

Hは「抑圧的な平和主義」を志向しているように取られても仕方がない行動をした。五人組に代表される相互密告制度によって支持される平和は地獄への片道切符である。そうした行動によってもたらされる結果は、AとMに取って有利なものになる。

悪口を聞いた。悪口は良くないものだ。だから当事者に報告した、という理屈なのかもしれない。しかし、悪口が根拠なく生まれることは一部の人格異常者が関わっている場合を除き考えにくい。その悪口の内容を一度受け止め、噛み砕いてから権力者に伝えるのがお互いにとって公正なやり方ではないだろうか。「とにかく悪口、不平不満を先に言った人がダメ」では、物事は何も前進しない。不満をもたせた側は反省する機会を失い、悪口をいうことを禁止されたものは抑圧される。

Oは早とちりし過ぎである。情報が少ない中で攻撃的な態度をとることは、往々にして良い結果にならないものである。

結論(私の意見)

「悪口を言ったほうが悪い」という単純な図式に囚われている人があまりに多すぎる、というのが率直な感想である。
今回の場合、悪口の発端、内容について碌に審議がなされることはなかった。これでは、Aはまた他の人を不快にし、同じことが繰り返されるだけである。何も進歩しない。議論が足りていないという自覚はあるのだろうか。

一方で、そうでない立場の方(J、K)も受容度が低すぎるように思える。本人に直接、真剣に言えば改善する可能性の合った事柄について、のらりくらりとかわし、友好的であるかのように、一対一のチャットであっても装うのは愚劣と取られても勘違いをされてもしょうがない。特に、Aの場合はコミュニケーションに難があるという事情をわかっていた上でそういった行動をしていたのだから殊更に良くない。
日本人的なコミュニケーションに見られる「表面上の和」を作るのは、現実で自分の立場や人間関係が脅かされる状況下では利用してもやむを得ないと思う。しかし、Aに対してはっきり物を言ったとしても、Aに嫌われる可能性がある、他の人にそのことを相談される可能性が出てくるぐらいで、内容が正当であれば即座にこのような大事になることはなかったと思う。

当然、関わる全ての人を説教する必要はないし、人がお願いで簡単に変わらない。それでも、正当なコミュニケーションのためには「まず伝える・相手の言い分を聞く」ことが必要ではないかと思う。これは登場人物全員できていない

私個人はグループの再建は不可能と見ているので望まないが、少しでもマシな結末を迎えるために話し合い、情報共有をする余地はまだあるのではないかと思う。私はそうなることを願ってこのクソ長い文章を1円の報酬も入らないのに寝る時間を削って書いたのである。

少しでも全員が前進してくれることを願うばかりである。

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