ブラエ・ヴェルト～ゲーマーカップルのVRMMO記。こつこつ最強を目指したいだけなのに～【企画書】

キャッチコピー

ゴリゴリの男キャラタンク（彼女）と、けしからん系美女キャラDPS（彼氏）が織りなす、ゲーム×ラブコメ

あらすじ

ゲーマー歴の長い同棲中カップルが、新作VRMMOではっちゃけます。

主にBLを嗜む主人公が、イケメンNPCとフラグを乱立させたい話。
休日にコツコツと二人でキャラを強くしたいだけなのに、イケメンNPCと絡みまくった結果隠しイベントが最速で発生したり、サークルクラッシャーに巻き込まれたり。時には現実離れした風景に癒されたり。

VRMMOを楽しみたい二人の（ドタバタ）ゲームプレイ記。
ロールプレイを全力で楽しんでいるのでお口がわるいです。

第一話のストーリー

　ブラエ・ヴェルト。通称ブルワ。略称BW。
　『青の世界』の異名を持つそのゲームは、もはやその技術が日常に溶け込んだフルダイブ型のVRMMO。
　脳波を読み込み、まるで自分がその世界の住人となったかのように過ごせるゲームにおいて、今話題沸騰中の最新タイトルだ。

　空の青。海の青。地球の青。つまりは世界の色。
　五感を通して感じることは同じだが、しかしまったく別の世界。
　そんな意味で名付けられたらしい。端的に言うとリアルな別世界ということなのだろう。
　今日はその正式サービス開始日。現在オープン二分前。

　主人公とその同居人は、激務の中でも金曜日の有給をもぎ取り、さっそく木曜日の夜からログイン開始。

　互いにキャラを作成すると、始まりの街【ニト・ラナ】で合流。
　主人公である彼女──シルヴァンは、背の高いゴリゴリの男キャラ。おまけにエルフ族でイケメン。
　同居人の彼氏、ヤナこと柳丸は、吸血鬼をモチーフにした夜人という種族のセクシー美女。

　互いにリアルと性別が異なるキャラを選ぶのは、いつものこと。

　シルヴァンのゲームでの目的は、腐女子であり、しかし夢女子でもある自身の欲を叶えるべく、イケメンな自キャラでイケメンNPCとの（イベント）フラグを乱立させること。

　水の都がコンセプトの始まりの街【ニト・ラナ】はプレイヤーで混みあっていて、街の入り口がパンク寸前。MMO名物のスタードダッシュだ。

　二人はのんびりプレイしようと、チュートリアルを飛ばしつつ街の外で自分の選んだ職の使用感を試す。

　本来、自分がいつもMMOで選んできた、攻撃を一手に引き受ける盾職を選びたいシルヴァンであったが、二人でプレイすると決めた以上回復役が必要になる。先にサブ職にする予定の【バブルミスティック】という回復職をレベル上げ。
　対してヤナはどのゲームにおいてもダメージを出す火力職担当。【ジェムリンカー】という、見慣れない魔法火力職を選んでレベル上げ。

　レベル１の水トカゲ相手に死闘を繰り広げ、なんとか勝利すると戦闘システムを簡単に理解した。

第二話以降のストーリー

　VRMMOの雰囲気を感じ取りつつ、始まりの街を探索開始する二人。
　さっそくイケメンNPCを見付けると、片っ端から声を掛け始めるシルヴァン。
　チュートリアルもすっ飛ばし、イケメンNPCに目がない相方に呆れつつも、同居人ヤナは異世界風の料理や道具に目を奪われながら冒険者ギルドを目指した。

　集まるのは多くのプレイヤー。
　そこではもちろんクエストの同行や、プレイヤーギルド──通称PGへの勧誘が多く行われる。

　そんなものには目もくれずギルド内でイケメンNPCを探すシルヴァンであったが、残念ながら見当たらない様子。
　渋々本来チュートリアルに組み込まれている『冒険者登録』をすることに。

　クエスト受注が解放されると、どんなものがあるかクエストボードで確認する二人。
　そこで見付けたのは、【ニト・ラナ】に最も多く住む種族である水霊族の神官からの依頼。

　討伐クエストなのだが、依頼者がイケメンに違いないと判断したシルヴァンは早速クエストを受注する。

　しかし、その前に街で声を掛けてしまっていたイケメンが、実はメインストーリーにも関わる人物であった。

　世界にいくつか存在する神器、フィリアの一つ【水神の杖】。
　【ニト・ラナ】周辺の湖にぶっ刺さる、巨大な塔のような杖からは絶えず水が流れ落ちており、その水を求めて魔物が寄ってきているという。

　神官から話を聞き現場へ向かうと、先に声を掛けていたイケメンがすでに魔物を蹴散らしており、なぜか親玉を倒そうとパーティを組むことに。

　正規のルートとは違う手順でメインストーリーを最速クリアしそうになる二人が、なんとか軌道修正しようと別のイケメンとフラグを立てるも、これまた別のクエストに繋がっていた。