ポジティブな言葉

仕事柄、ポジティブな英単語を求めている。

私はアパレルの端っこのメーカーに勤めていて、子ども向け商品を担当している。子ども向けの商品には柄物が多い。
子どもがいる周りの人にどんな商品が欲しいかと聞くと皆決まって「無地だね〜」と言う。いやぁ本当わかります。変なポイントが入ってたりガチャガチャした柄物って好まないよね。シンプルに行きたいよねそこは。

だが、売り場が無地だらけになってしまうとつまらなくなるし、柄物も作らなければならない。これが一番人気でしょ!と思う商品の売れ行きがいまいちだったり、こりゃ売れないだろと思うような柄が人気になったりする。なかなか読みにくい世界なのだ。
こういう時、世界には様々な好みがある人がいることを実感し、類は友を呼ぶとはいうが私の周りには好みが似た人が多いんだなとも思う。
(余談だが、選挙の時にも同じような気持ちになる。自民党支持者の人ってどこにいるの。)
いろんな友達作りたいな〜とか世界広げたいな〜とかね。思います。

柄物を作る時に便利なのが外国の単語。わかりやすいものが良いので英語が一番使用頻度が高く、たま〜にフランス語。
英語は話せないのだが、Twitterでちょくちょく話題になるような、文章として成り立っていなくてバカにされるような商品は作りたくないので徹底的に調べたり、英語を話せる人に聞いたりしてデザインを決めていく。

子ども達には将来に希望を抱いてほしいので、優しい言葉や前向きになれるような言葉を選んでいる。
私には子どもがいないが、こんなにとても些細なことでも、もしかしたら気付かれないようなことでも、力になれたら嬉しいなと広い意味での子育てになれたら良いなと思っている。

“君は君のままで素敵だよ”
”ゆっくりいこう”
”泣いても良いよ 後で笑おう”

英語にしてもわかりやすい言葉を組み合わせて、その商品を身につける子の生活を想う。

一方その頃。最近の私は仕事が多忙で心が病んでいる。
視界が揺れてかすれ、地面が波打ち、胸がしょげしょげしている。
ポジティブな言葉を考えながら「助けて、助けて」と思ってたりする。出社時はまだ人の目があるからマシだが、在宅勤務の時の絵面はホラーである。
数ヶ月前までは仕事が楽しかった。天職だと思っていた。
デザインするのも、事務的なやりとりも、雑用も、てきぱきとこなすのが楽しかった。

楽しくて請負いすぎたのだろう。捌ききれない仕事、絶えない頼まれごと、進捗確認、交渉、納期、納期、納期…。
次々とやってくる仕事に呼吸をするのもやっとのほどの思いになってしまっている。こんなふうに文章を書いている時は心が落ち着くが、書き終わった後は趣味を一段落させた心地の良い少しの疲労感と、仕事を思い出しての緊張感が同時に襲ってくる。

きっと今の私には、こんな言葉が必要なのだろう。

“君は君のままで素敵だよ”
”ゆっくりいこう”
”泣いても良いよ 後で笑おう”

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