セラムン二次創作小説『同じ意味を持つ二人(クンヴィ)』


ある日、一緒に護衛していたクンツァイトが珍しく自分の事を話し始めた。


護衛が一緒であれば普通に話はするけど上辺の話はするものの自分の深い話はあまりしてこなかった。


どういう風の吹き回しか知らないけど心を許してくれてるのかと思うと嬉しくなった。


この日は「クンツァイト」と言う自分の名前に込められた意味を教えてくれた。


「純潔と慈愛の騎士と言う意味が込められてて、王子の直属の配下になる際マスターから意味と共に与えられた名前なんだ」


「ちゃんと私達みたいに名前に意味が込められてたのね。驚いたわ」


「ヴィーナス達にも意味があるのか?」


「あるわよ。知りたい?」


「聞かせて頂こうヴィーナス殿」


「ナイショ♪」


「ヴィーナス殿は秘密主義な様だな」


「嘘よ。教えてくれたお礼に特別に教えてあげるわ。私のヴィーナスに込められた意味はね、愛と美の女神よ。私にピッタリでしょ?」


「余程の自信だな。まぁ名前負けはしてないな」


「素直じゃないわね。でもどうして教えてくれたの?」


 「特に意味は無い。教えたかった、ただそれだけだ」


そう言ってその日は護衛も終わってしまい真意を聞くことは出来なかった。


彼の真意は分からないけど、お互いの名前に込められた意味を教え合うなんて私の事少しは気にしてくれてるのかな?なんて不毛な期待をしてしまう。


私達には未来なんてないのに。


慈愛か…2人とも「愛」と言う意味が入っている。


私達はやっぱり似たもの同士。


主君を守るリーダーで、剣の名手でもあり、とても立場が似ている。


私がクンツァイトに惹かれたのは自然な事だったんだとこの時確信した。


クンツァイト、あなたは私の名前の意味を聞いてどう感じた?


少しでも私と同じことを考えてくれていたら嬉しい。


だけど2人とも「愛」と言う意味がある名前を持っているのに、立場上愛を語り合えないなんて皮肉な話よね。





おわり



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