セラムン二次創作小説『ミッションは突然に』
俺は、驚きを隠せないでいた。あのセーラーVが、ただの中学生の女の子だという事にーー。
警視総監にシベリアに飛ばされた俺は、その警視総監の命令で日本に、本庁に戻る事になった。
何故戻されたのか?皆目見当もつかないまま帰国すると、総監から理由を聞かされ、衝撃で頭がフリーズした。
「セーラーVの正体が分かったのよ。そこで若木、あなたにはセーラーVのサポートをする任務を与えるわ!」
「はぁ?また、無茶苦茶な……」
俺は、セーラーVに手柄を取られ、目の敵にしていた。
その事実を全て見て、知っている人の命令とは思えない。
いや、この人は確かにこういう人だ。何ら変わっていない。ある意味、ホームに戻って来たと言う安心感さえある。
「セーラーVの正体はね、普通の中学生の女の子よ!そんな子が1人でナゾの事件を解決しているの」
「ナゾの事件を操っているのがセーラーVでは無いという事ですか?」
「そう言う事よ。流石、特殊警察官の超エリート。話が早いわね。私が見込んだことはあるわ」
「ありがとうございます」
かつてナゾの事件の裏を引いているのがセーラーVだと思っていた。
しかし、総監の見立て通りセーラーVはナゾの事件を解決していると言う。しかも普通の中学生の女の子。
「紹介するわ。セーラーVこと、愛野美奈子ちゃんよ」
「愛野美奈子でぇ~っす♪若木刑事、よろしくお願いしまっス!」
「あぁ、いつかの!」
総監から紹介された子を見て驚いてしまった。
何時ぞやに公共の場所にゴミをポイ捨てしたり、木の枝を折っていた中学生だったからだ。
良く覚えてる。頭の赤いリボンがセーラーVと同じだったから、疑ったんだよな。
やはり俺の感は当たっていたんだな。
だけど何故、こんな中学生の女の子がナゾの事件を解決しているんだ?ナゾがナゾを呼ぶ。
「わぁ~、覚えてて下さったんですが?美奈子、感激~♪」
「まぁ、そのリボンと行動が印象深かったからな。しかし何故、ナゾの事件の解決を?」
「それはまだ良く分からなくってぇ。ごめんなさい」
流石はただの中学生の女の子。理由も分からずナゾの事件の解決をしているとは。
そんな子のサポート……。
ほとんどお守りみたいなもんじゃないか?
「しかし、どうしてセーラーVを捕まえる事からサポートに……180度任務内容が変わってますが……」
「美奈子ちゃんと仲良くなった日にセーラーVだって招待分かっちゃったから。それにVちゃんには警察の仕事も手伝って欲しいし、ギブアンドテイクって奴よ!」
「相変わらず、無茶苦茶ですね……」
呆れてものも言えないとはこの事か?
相変わらず強引な総監に呆れる。
「分かりました。命令ですから、サポートさせて頂きます」
しがない組織の一員である俺に、拒否権は無い。
それに、良く分からずナゾの事件を解決している普通の女の子を、男としても放ってなどおけない。
男としてのメンツと、エリート警察官のプライドから、この無茶振りとも言える命令を引き受ける事にした。
「じゃあ若木、セーラーVの活躍してる場所に行って、サポートしてあげてね」
「了解しました!!!」
こうして俺は、警視総監に言われるがままにセーラーVのサポート役をする事になった。
彼女自身ですら何故ナゾの事件を解決しているか分からないのに、本当に何故、若干女子中学生が戦わなければならないのだろう?
そして、その手助けを何故俺がしなければならないのだろう?
セーラーVが活躍を見れば、何か掴めるだろうか?
今後の彼女の活躍をしっかりサポートしていきたいと思う。
おわり
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