セラムン二次創作小説『終わりのない世界』


『終わりのない世界』



終わりの無い世界があるなんて、あの頃の私は想像もしていなかった。仲間を失う事も。

“月野うさぎ”として転生して“セーラームーン”をやる事になったのは、前世での禁断の恋の贖罪なんだと思っていた。


戦いを通して、どれだけ罪深い事をしたのかを知る為の試練。そう考えていた。

でも今、何度も何度も転生した結果、私はセーラーコスモスとして宇宙を守護に持つ最強の戦士となった。

かつての仲間や恋人もその度に一緒に転生して宇宙を守って来た。


だけど、結局セーラーカオスを前に恋人も仲間も失ってしまった。たった1人、カオスと戦う日々。どれだけ敗れても死ねず、もう恋人にも仲間にも会えない。ーーー孤独な日々。


どうしたら死ねるの?誰が私を殺せるの?転生してもまた繰り返す人生。

終わりの無い世界はこんなにも恐ろしいなんて、思ってもいなかった。


例え死んでもまた私はこうして転生して、星を守護に持ち孤独に戦う日々。繰り返される輪廻。


“生を閉じて、終わりにしたい”

それが私の切なる願い。


だからお願い、どうか終わりのある世界に行かせて欲しい。愛する人や仲間と安らかに永遠に眠りたい。


そんな事を願いながら私は今日も宇宙を漂いながら一人孤独に愛する人達を思い浮かべ、守って行く。





おわり



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