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クン美奈小説

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前世、現世、未来のクン美奈の話をまとめて置いていきます
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2024年1月の記事一覧

セラムン二次創作小説『ライバルは王子(クン美奈)』

「で、衛がな?」

私の彼氏は無口だ。寡黙で、余り自分から喋るタイプでは無い。だから、と言う訳では無いけれど、喋り役はいつも決まって私だ。

顔を合わせるなり機関銃の様に喋り、それを聞いているのか、いないのか。分からないけれど、黙って聞くと言うのが彼の役目。

けれど、今日は違う。私の顔を見ると同時に、彼の方が口火を切って来た。そして、止めどなく喋り続けている。こんなに饒舌なんて珍しい。

だから

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セラムン二次創作小説『あの世での再会(クンヴィ)』

「……ナス?」

誰……私の名前を呼ぶのは?

優しくて深い。それでいて低い声。

アルテミスとは違う。落ち着いた声。

この声を、私は知っているわ。

随分と昔から、この声の主に恋い焦がれていた。

「……クン、ツァイ……ト?」

地面に倒れていた私を跪いて、心配そうな顔で覗き込んでいた。

一体、どう言うこと?

クンツァイトは死んだはず。私が殺したのだから、よく覚えているわ。

頭が混乱する

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セラムン二次創作小説『勝負初め(クン美奈)』

「あけおめ~」

明るい声で登場したのは美奈子だ。

二人でカウントダウンの瞬間は迎えておらず。それぞれ大晦日は別々に過ごした。

一年の最後の日くらいは家族で、と二人とも考えてでは無い。

方向性の違いでバラバラに過ごすに至った。

「大晦日は紅白見るでしょ?」

「男は黙ってダイナマイトだ」

「嘘でしょ?信じられない!」

「低俗な……」

こんなやり取りをした結果、軽く本気の喧嘩をするに至

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