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青戸アキ
2024年6月26日 16:14
はじめに 『こころ』の文学理論としての読解は、多くの先行研究が存在する。作品に研究の数だけ読解があるとするならば、『こころ』は近代日本文学の中で最も主題の多い作品の1つと言えるのではないだろうか。作品が朝日新聞上で連載されてから既に100年以上が経過している今日改めて本作品に取り組む上では、必然的に先行研究の何れかに根ざしたものにならざるをえない。本稿では、そうした数ある作品論の中でも、クィアセオ