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評論

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大学のレポートのような、割とちゃんとまとめたもののような。
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#こころ

クィア文学としての夏目漱石『こころ』における「明治の精神」

クィア文学としての夏目漱石『こころ』における「明治の精神」

はじめに 『こころ』の文学理論としての読解は、多くの先行研究が存在する。作品に研究の数だけ読解があるとするならば、『こころ』は近代日本文学の中で最も主題の多い作品の1つと言えるのではないだろうか。作品が朝日新聞上で連載されてから既に100年以上が経過している今日改めて本作品に取り組む上では、必然的に先行研究の何れかに根ざしたものにならざるをえない。本稿では、そうした数ある作品論の中でも、クィアセオ

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