「月と海」に到着するまで〜地元旅行記その1〜
今日の最高気温は29度。
本当に10月かと疑いたくなるほど、
湿気を含んだ風を体に受けながらバスを待った。
「月と海」は2020年12月にオープンしたばかりの元料亭をリノベーションした宿。
長崎駅からバスで30分ほどの距離にある。
学生時代から夢だった一人旅をしてみようと思い立ち、市街からは少し遠い茂木を選んだ。
愛宕方面へ向かう道はかなり狭く、
この路線を通るバスの運転手さんにはいつも
拍手を送りたくなる。
運転手さんも、得意げに華麗なハンドルさばきを見せてくれるのでスリル好きにはおススメしたい。
茂木に来たのは今回が初めて。
見たことない景色に出会うと、
必死に目に焼き付けようとするのは私の癖。
あまりキョロキョロして不審に思われないよう、横目で外の景色を眺めた。
窓から入り込んでくる草木の匂い。
街から離れている実感が湧くから嫌いじゃない。
しかし、すごい道だ。
こんな山道をバスが結構なスピードで駆け抜けても、乗客はそれが日常だと言わんばかりに景色を眺めている。
一歩間違えば崖へ真っ逆さまの状況にヒヤヒヤしてるのは私だけ。
やっぱり長崎のバスの運転手さんは日本一だな、なんて呑気に考えていたら、「茂木」とバス停に書かれていたので慌てて降りた。
抱えていたスーツケースを降ろして周りを見渡すと、目立ったお店はなく人も歩いていないので、少し不安になった。
こういう時にgoogleマップを開いて安心したがるのはデジタルネイティブ世代だからか。
とりあえずマップを頼りに歩き出すことにした。
茂木といえば枇杷。その次に思いつくのは港。
横断歩道を渡って一本道に入ればすぐに潮の香りが漂ってきた。
漁船の並ぶ海岸沿いを、スーツケースをごろごろ言わせながら歩くなんてなかなか経験しない。
漁師っぽいおじさんたちに見られながら15分ほど歩くと「月と海」が見えてきた。
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