PQ時間(P-Q間隔)からわかる不整脈
房室結節(AH)→ヒス束(BH)→心室中隔(HV)→右脚・左脚(前肢と後肢)→プルキンエ線維
という流れで刺激が伝わる。
これをさらに、深掘りすると
"P(心房から)" →房室結節(AH)→ヒス束(BH)→心室中隔(HV)→ "Q(固有心筋まで)" ⇒房室ブロック
”QRS”→右脚・左脚(前肢と後肢)→プルキンエ線維 ⇒ここに、伝導障害がおこると、脚ブロック(心室内伝導障害)が出現する。
となる。心房の興奮の始まりから心室の興奮の始まりまで(心房から固有心筋までの伝導時間)を、”房室伝導時間”といい”PQ時間”と表される。
房室伝導時間に遅延がおこると、”PQ時間”が延長し徐脈性不整脈が出現。つまり、”PQ時間”は ”房室ブロック” を反映する場所である( 一一)
房室ブロックの種類は、1度、2度(Wenckebach型,MobitzⅡ型)、3度(完全)。
1度は、房室伝導時間の延長(P-Qが延長、P-QRSがすべて、1:1に対応)
2度(Wenckebach型)は、間欠的に房室伝導が途絶する状態 (P-Qが1拍ごとに徐々に延長し、QRSが欠落)
2度(MobitzⅡ型)は、間欠的に房室伝導が途絶する状態 (P-Qは一定、突然QRSが欠落)
3度(完全)は、完全に伝導が途絶した状態 (P-Qは不規則→Pの刺激が伝わらない、QRSが欠落→心室へ刺激が伝わらないため、独自のリズムで興奮→補充調律)
である。緊急度でみると、
Ⅰ度房室ブロック→緊急度は低い。治療の必要は低。
2度(Wenckebach型)→緊急度は、低い~中。治療の必要は低。
2度(MobitzⅡ型)→緊急度は、中。ペースメーカーの適応。
3度(完全房室ブロック)→緊急度、高。特徴的なのが、PP、RRは規則正しいが、PQは不規則。ペースメーカーの適応。
心房と心室の伝導比で考える。”3:1”以上、3度房室ブロック(P波2つ以上あるが、QRSが連動していない)
徐脈性不整脈が出現時は、12誘導を長めにとる。短いと、洞調律との鑑別が難しい為。そして、緊急度を考えて、行動('ω')