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フィギュア撮影のこと

高校生の時。
ひょんなことから『ジョジョの奇妙な冒険』にハマって超像可動を買った。
関節可動式のフィギュア。
初めて買ったのは第二部の推し、シーザー・A・ツェペリのセカンドカラーだった。

その次は第三部の推し、花京院典明のセカンドカラーと法皇の緑。


同時に始めたフィギュア撮影も楽しかった。あこがれの人も居た。
小物やドールハウスを作っているその人に憧れて、勉強机の一角にモスで芝生を作り、厚紙で壁を貼った。
壁貼りを応用してブチャラティのジッパー用の壁を作ったらめちゃくちゃ反応をもらった。

続々とフィギュアの数を増やして、それに伴って小道具も増えた。
Twitterのフィギュア撮影用タグにも参加するし、外出や旅行の際は外でフィギュア撮影をしていた。


一眼レフを譲り受けることになって、さらに楽しくなった。
なにかの本を一冊読むわけでなく、説明書と少し調べただけであとは全て自分で色々試しているから、一眼レフの良さなんて一ミリも引き出せていないのかもしれない。
高校で使っていた手帳の提出義務があったから、コンビニで自慢の写真を印刷して色々貼り付けていた。
成績不振落ちこぼれ特進コースの人間。
「そんなことしている場合じゃないだろ」という突っ込みもありながら、書くことを失った私が自分を表現できる、自信などなくなってしまった私が唯一自信を取り戻せる手段だった。

面白いものは男女関係なく面白い。
親戚に「女の子なのにそんな(フィギュア)を集めて」と言われたことがある。ニコニコして流した。
大学生になって「女の子らしさ」「女子なのに」という言葉に苦しめられ、自分の性別と女性に嫌悪と疑問を抱くことになるけれど、これも似たモノか。

フィギュアの値段の高騰と完成度、他のものへの興味。自分自身の気持ちの問題。
お金があっても、最近はあの頃のように買うことも撮ることもなくなってしまった。

それでも忘れたわけじゃない。
メインで使っているアカウントやインスタグラムのアイコンはフィギュアで、思い出したように一眼レフで写真を撮る。雑貨屋で撮影用のボックスを見つけて買った。趣味を聞かれてフィギュア撮影を挙げる。

心のどこかで、静かに燃えているのだと思う。


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