見出し画像

オッサンが髪を伸ばすということ(を経験してちょっと分かったこと)

「アコーディオンの音色は人を幸せにする」安西はぢめです。人生の殆どを短い髪の毛で過ごして来ました。遡れば幼い頃に「一休さんと同じにして!」(母談・本人記憶なし)と、クリクリ坊主にしてもらった写真もありますし、高校時代は五分のスポーツ刈りで過ごし、大学時代には時々パーマをかけたりもしましたが、髪の毛が眉毛にかかると「えぇい、鬱陶しい!」と思うほどの短髪好きでした。20代後半に一度だけちょっと長めにしたことがありましたが、それも中途半端な長さ止まり(その頃は木村拓哉さんが大人気。美男子の代名詞でしたから、髪の毛を伸ばして後に束ねると「キムタクの真似をしている痛いヤツ」と誤解される恐れもありました)

さて、たまたま年初に「今年から伸ばしてみよう!」と思っていたところへ、ここ数ヶ月の自粛期間。外部との接触もなく、ましてや「耳や襟足にかからない長さにすること」と言う契約の仕事もないし、まさに実験には最適。「伸ばすチャンス!」とばかりに伸ばし続け、お陰様でようやく肩にかかる程度になりました。そこでまだ道半ばではありますが、私なりに発見したことをまとめておきたいと思いますので、これから髪の毛を伸ばして見たい方の参考になれば幸いですし「うーん、それなら止めておこう」と思うかもしれませんし、長い髪の方なら「そんなの当たり前じゃん」と思われることばかりかも知れませんが、なにせ初めて伸ばしてみたので「へぇ、そうなのか!」と思うことしきり。ゆるゆるとお付き合いいただければと思います。

(おススメの髪型や整髪料、便利な道具、ワンポイントアドバイスや諸先輩方ご自身の経験談などありましたらぜひコメントお願いします!)

画像1

・一休さん時代(4歳のワタクシ)

「一度は挑戦したかった」

最初に私がなぜ髪の毛を伸ばすことしたのかというと、そもそも私は時代劇とかが大好きで、日本髪(男女)はもちろん、琉球のカタカシラ(中剃りをして頭頂に小さな髷を結い、押さえの簪と正面からの花簪で留める王朝時代の男性の髪型)とか、アクション映画や写真で見かける清朝の辮髪(べんぱつ)などがなぜか大好物でした。アジア各国のみならずネイティブアメリカンハワイアンにも髪に霊力が宿るとして伝統的に伸ばす習慣がありますね。今でも特に各国民族文化がむせ返るように大きく花開いた19世記後半の風俗全般に心惹かれるものがある私には、とてもワクワクする話しです。ことさように、元々それらに憧れがあり男性の蓄髪には「佳いモノ」という前提がありました。上手い具合に自分の顔立ちが割と古風な「昭和の二枚目」で仲の良い友人たちから「銀幕のスター顔」などとからかわれることもある丁髷が似合う顔立ちらしいですから、昔から「どうなるものかともかく一度やってみたい」と思っていたのを、ようやく始めてみたという訳です(「髪の毛がある内に挑戦しよう」と思い立ったというのもあります)

肩まで伸びた今、ようやくなんとか後ろで束ねることができるようになり「なるほど確かに我ながら髷が似合う顔だなあ」と思うようになりました。第一段階としてはまずまず満足しています。

画像2

・ササっと束ねて撮りました。外出する時は整髪料で後毛をキチンと押さえて、櫛目を入れて丁寧に作ります(2020年7月25日撮影)

髪を伸ばす上で障害になったこと

さて、これからどこまで伸ばして行くのか自分でもプランが幾つかありますが(辮髪やネイティブアメリカンのように長い三つ編みはぜひやって見たい)、取り敢えず現段階でいくつか記しておこうという点があります。それは思ったより多く「他人が口を出して来る」ということです。しかも見慣れないせいか、近しい人間、親しい人ほどそれを言ってくる可能性が高いです。私も家族に何度も「髪を切れ」と言われました。仲良しに「短い方が似合うよ」と言われたこともあります。でも、極端なことを言えば「自分以外はみんな他人」です。血がつながっていようがパートナーだろうが、自分以外の人間にどんな髪型をしろと意見するのはどうかなぁとうんざりしてしまいました。また、特に近しくない見知らぬ赤の他人でも、突然自分の価値観を押し付けて主張して来ることがありました。これにはたまげました(YouTubeのコメント欄に見知らぬ外国の方から「髪を切れ」と書き込まれた経験あり)つまり「私はこう思う」という意見を「口に出して満足したい」という理由でいわば「通りすがりに思い付きで」伝えて来るタイプの人間が少なからずいる訳です。その人は自分のアドバイスで貴方が髪を切るという行為をすることに満足したいだけなのではないかと思います。

なので、ある程度の長さになるまでは、どうにも扱い難くて手を焼く自分の髪の毛以外のそれらとも戦わなければならない可能性があります。これは思うにその方々の文化背景が動機で、髪の長い男性率が高いスペインやブラジル関係の知り合いは「似合ってるね」「良いじゃない!」と概ね好評ですが、YouTubeのコメント欄に書き込みをして来た方はスラヴ系の国からでしたので「男の髪は短く女の髪は長く」という比較的古い価値観に支配されている人だったのかも知れません。つまり色々他人が意見して来るかも知れないけど「伸ばしたかったら伸ばそうぜ!」です。ホント「他人が色々言って来ても一切聞く必要ナシ」です(でも清潔感がないと違うトラブルが発生する可能性があります)

画像6

・2020年5月7日はまだ束ねた髪をクルッと折り返すだけの長さの余裕はありませんでしたし、襟足もボハボハだし、長さが足りない横鬢はピンで止める必要がありました。ガマンの時期です(一枚目とシャツが同じなのはたまたまです)

髪の毛を伸ばすコツは?


「切らないこと」


なんと言ってもこれに尽きます。

当たり前だと思われるかも知れませんが、特に女性の髪の毛を日々扱っている美容師さんから「切りながら伸ばしましょう」という提案を受けて「少し毛先を揃えましょうか」とか「ちょっと梳いて軽くしましょうか」などと聞かれることがあると思います。当たり前ですけど、いずれにせよ切ったら短くなります。恐らく多くの女性は子供の頃から(男性よりは)長めの髪の毛の扱いに慣れているし、周りの目も女性の髪型ならショートからミディアム、セミロング、ロングに至るまでたくさんのサンプルを見慣れています。が、男性の中途半端な長さの髪の毛は自分でも扱いかねたり、周りからも「床屋行きそびれてるのかな」「もっとサッパリしろ」「バサバサして不潔」などネガティブに捉えられがちです。なので、辛抱する期間が短ければ短いほど良いと思うのですが、ハサミを入れながらだと結局は結べない長さの髪の毛が出て来たり、スキばさみを入れてしまうとこぼれてしまう髪が出て来て取り回しが難しい期間が伸びる可能性があるので、私の提案としてはともかく「極力切らない」ことをお勧めします。当たり前ですけど、切ったら短くなりますから!(2回目)私は過渡期の間、多めのジェルで固めて、尚且つピョコンと遊んでしまう髪はピンで止めて帽子をかぶって外出していました。

更に私の場合は「これから伸ばします!」という時に長年通っている美容院の担当さんと方向性を共有する「作戦会議」をしました。それがあると、仮にプロの目から見て切りたい時に「これこれこうだから、ここにハサミを入れます」「こうした方が良いですよ」と聞かせてもらえて安心です。因みに結べるようになるまでの中途半端な長さの時が一番困るのですが「顔にかかりにくくなるように」という実用目的の巻きを施したパーマが過渡期にはすごく良かったので超おススメです。ぜひ率直に相談してみてください。

画像3

・全幅の信頼を置いているヘアラウンジnicoの中村店長。通っていたアコーディオン教室の近くにあるサロンで切ってもらって以来、独立した後もずーっとお願いしています。この時のパーマは髪が顔にかからずとても良かったです(2020年1月18日)

http://www.hairlounge-nico.com/blog/

「男の髪は短くあるべき」という圧力からの自由

「男が髪の毛を伸ばす」ただそれだけのこと…のはずなのに、こんなに色々なことを言われるのか、おかしいなぁと思ったりもしました。日本のみならず、世の中に多様性が叫ばれて久しいですが、まだまだ人間は自分とは異質なものや自分の価値観に相入れないものを大なり小なり排斥したくなるようです。これは髭を伸ばした時にも同じ圧力を感じました。誰がどんな格好をしようが、何が好きであろうが、誰を好きであろうが、決して口出し否定するべきではないと心の底から思いますが、先日国会で取り上げられたツーブロックの髪型規制のことも思い出したりして、まだまだ本質的な部分は停滞したまま根強く残っているのだなぁと思いましたです、ハイ。なので、私が髪の毛を伸ばしていることは大袈裟にいうと肉体の在り方を通して自由を象徴しているものなのです。

どこまで伸ばすのか。髪を切るとき

髪の毛を伸ばして社会生活を送ることは、音楽家という髪型服装が比較的自由な職業にある私でさえ様々な意見を身に受けるという良い経験をさせてくれています。そしてちょっと範囲を膨らませて考えてみたら、世の中のありとあらゆる分野にも、同じような現象がたくさんあって好意的な人や「別に構わない」と言う人は殆どの場合特に近寄って来ませんが、気に入らないと思う人は「オマエはおかしい!」とか「そんなの意味がわからない!」などと大きな声を出して接近して来る傾向にあるなぁ…なんてことを実際に経験しました。

さて、私には子供がありません。けれども子供が大好きで、心の底から世界中全ての子供たちが健康で幸せであって欲しいと願っています。なので、いつでも子供たちの役に立ちたいと思って暮らして来ました。今までも福祉や医療の現場に伺ったり寄付やボランティアをして来ました。少し前に、毎月切るだけだったこの髪が病気のお子さんの役に立つと聞いて検索したところ、医療用ウィッグの製作に役立ててもらえるNPOに寄付できると知りました。その髪の毛は染めてあっても白髪でも良いそうです。31センチの長さがあれば、小さな誰かの大きな笑顔のお手伝いができると聞いています。聞いてみると私の周りに何人も実際にヘアドネーションをした知り合いがありましたので、ひとまず気が済むまで伸ばしてから、ハサミを入れる時はそれに続こうと思います。この髪が病気と戦ったり、病気と暮らしていくお子さんのためになれば最高に嬉しいです。

https://hairdonation.hero.or.jp/hair/

オマケ・日常生活で使うようになったもの

夏ということもあり、首に熱が籠るので基本的に外出時は髪の毛を束ねています。初めて使うようになった物も色々あるのでご参考に。

ヘアピン(後毛を留めるだけでなく、痒いところをピンポイントで掻くのに使います。本当に便利。髪の毛を束ねたら地肌をボリボリ掻けないってことは髪の毛を伸ばして初めて知りました!)

ヘアゴム(最初から輪っかになっているものもありますが、自分で結ぶタイプのを買って少し小さめの輪も作っておくと便利!)

(家にあったものを適当に使っているのでこだわりはありませんが、目が粗いヤツは風呂上りに便利。細かいやつは束ねる時に重宝しています)

お好みの整髪料(以前ロン毛チャレンジをした時には本当に鬢付け油を使ってたんですけど、あれはなかなか落ちないので洗髪で苦労しました。なので水溶性のジェルが割と好きです。けれどもヘアクリームやワックス・グリースなど細かい毛が抑えられるなら、何でも良いと思います)

ヘアアクセサリー(昔からアンティークやヴィンテージのものが大好きで、よく骨董市にも出かけて実際に簪や櫛・笄を集めていた事もあります。沖縄へ行った時に押簪と花簪を買って帰ったこともありました。引っ越しや断捨離の度にその殆どを人にあげてしまいましたが幾つか気に入ったものはどこか手元にあるはずなので、見つけたら挿そうと思っています。先日、つい写真の1920年代フレンチヴィンテージの櫛を知り合いのお店で買ってしまいました。美しい。因みにトップ画は、父方の祖母の遺品のびらびら簪です)

画像4


番外・計算ミス

1 「髪の扱いが下手で帽子が被りにくくなった」

髪の毛をお団子にした時にどうやって帽子をかぶろうか、今だに自分の中で正解がありません!髪の毛を下ろしたら普通にかぶれるのだろうと思いますが、まだ「それらしい」髪型の開発に至っておりません(アップにすると頭囲のサイズがアップしてしまって頭が痛くなったこともありますし、束ねた髪の高さによって「かぶれる」「かぶれない」が左右されます。帽子の素材がソフトなら形が変えられて良いかも知れませんね。この先もっと長く伸びたらきっと低い位置で束ねられて容易にかぶれるのではないかと思って期待しています)だいぶ慣れて来ましたけどね。

画像5

2 「風呂上がりにすぐ寝られない」

髪の毛が短い頃はタオルドライだけで乾いたも同然。疲れて帰って来てシャワーを浴びたらすぐに寝られたのですが、コイツを乾かしてから寝るのに時間がかかるのは思ったより大変でした。だいぶ慣れて来ましたけどね。

3 「壁に寄りかかれない」

ま、当たり前なんですけど後頭部にお団子を作ってしまうと壁や、高い背もたれにドーンと寄り掛かったり、寝っ転がったりすることができないんですね。「ちょっとゴロッと昼寝でもしよう」という時に忘れて仰向けになると「ボコっ」と違和感。これにはビックリしました(まだ慣れません)

また髪の毛が長くなったらシェアすることが増えるかも知れません(2020年7月27日)

最後までお読みくださってありがとうございました。もしよろしければお気持ちで結構ですので、音楽家としての私をご支援してくだされば嬉しいです。投げ銭はこちらから。任意の金額を設定していただけます⬇️


いつも温かいサポートをどうもありがとうございます。お陰様で音楽活動を続けられます!