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イコライザー


イコライザー(Equalizer)とは、音声信号の周波数特性を変更する音響機器で、音声信号の特定の周波数帯域 (倍音成分や高調波成分あるいはノイズ成分) を強調したり、減少させる事が出来、全体的な音質の補正や 改善を行えるアイテムです。妙な倍音を抑えたり、ハウリングカットなんかにも使えますし、最終的な調整なんかにはもってこいというか、使い方次第で『痒いところに手が届く』的な存在でございます。

ギター・ベース用のコンパクトな物もありますが、プレイヤーの足元よりもPA現場やレコーディング現場の方でよくお目にかかる代物であります。

イコライザーにも種類があり、特性を複数の項目にわたってきめ細かく調整できるものをパラメトリックイコライザー(丸いツマミが何個もついているやつ、通称パラメ)、

調整の全体的な結果を視覚的に把握しやすいものをグラフィックイコライザー(溝と、溝の真ん中にスライド式のツマミがあって、それが何個もついているやつ、通称グライコ)と呼ぶことが多いです。
最近のデジタルエフェクトに組み込まれているパラメにはビューが付いていて視覚的にも確認しやすいようになっているものもあります。

アンプの中にもトーンコントロールとは別で、イコライザーがついているものもあります(リバーストのベースアンプ、アンペグSVT450Hにはグライコがついています)。

パラメトリックイコライザーでは中心となる周波数、調整する帯域の幅、音量(ブースト、カット)の3つの項目(パラメーター)を調整できますが、この三つの設定値で調整できるのは1箇所の周波数周辺のみです。(これを『ピークディップ(ピーキング)タイプ』といいます)
大体、低周波から高周波まで3~4個程度のパラメトリックイコライザーを一台にまとめてあるものが多いです。ミキサーのチャンネルなんかについているのはこのタイプです。
また、ローエンド(パラメの中でも一番下の周波数を調整する部分)、ハイエンド(一番上の周波数調整部)には、ある周波数を境にそれより低い(または高い)部分をまとめて調整する『シェルビングタイプ』に切りかえれるものもあります。
選択できる周波の範囲の中でならどんなポイントの調整も出来ますが、グライコと違い、何Hzの周波数をどのくらい切ったり足したりしているのかパッと見では分かりづらいですし、特にアナログ物のパライコで、リハと本番でツマミが少しずれちゃってた!なんてことになったらアラ大変です。

グラフィックイコライザーは、周波数と幅が決まっているものを何個か並べて一台にまとめてあるものを指します。一つの周波数帯に対して1スライダーで、足したいところはスライダーを上に、切りたいところはスライダーを下にというふうに使います。扱いやすく分かりやすいのはこちらのほうだと思いますが、構造上そのグライコについてるスライダーの分しか調整できません。ですから細かく調整できるグライコはその分『溝とツマミ』が増えるので非常にデカいです!

イコライザーは音色の調整にかなり効果がありますが、これをちゃんと使いこなすのはなかなか大変です。
前述のとおり周波数ごとに帯域を調整するものですから、何Hzがどんな音なのかということを少なからず把握する必要があります
さらに、イコライザーでブーストすればいいのかカットすればいいのかというのはまさにケースバイケースなので、このセッティングでこうすれば間違いない!ということはありません。
よく雑誌やカタログなどで一例としてセッティングが載っていたりしますけど、アレはあくまで一例です。これはどのエフェクターに関しても言えますけどね…。
ですから、『適当にいじったらイイ音になったー!』という偶然が起こることは、残念ながらあまりないと思います。
また、極端なブーストのしすぎ、カットのしすぎにも注意が必要ですが、あえてその効果を狙ってソロ用のブースターとして使う人もいます。
そしてつなぐ場所によっても効果が全然違います。

●ギター、ベースのすぐ後に繋ぐ→ギターベース本来の音にのみイコライザーの効果(楽器の音のみをイコライザーで調整したい場合)

●エフェクターの後に繋ぐ→楽器からエフェクターを通った音にイコライザーの効果(イコライザー以前に繋いだエフェクターまでの音、もしくはアンプに行く前の音をイコライザーで調整したい場合)

●アンプのセンド・リターンに繋ぐ→楽器、エフェクターそしてアンプのプリアンプを通った音にイコライザー効果(システム全体の音を最終的に調整したい場合)

という風に、同じセッティングのイコライザーでも繋ぐ場所によって音が全然変わるので、用途に応じて繋ぐ場所を考えましょう。

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