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文化とビジネスの不穏な関係にちゃちゃ(!)を入れる

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文化をどう定義するかはさまざまですが、基本的に人が生きるための工夫です。そうなんですが、なんか本末転倒みたいな話って多いのです。例えば、はっきり言うかどうかは別にして「ビジネスの… もっと読む
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#ヨーロッパ

海外に住むことに気負わない。

海外に「永住する日本人」が増えているとの記事を読んで2つのことを思いました。私的なことが…

ヨーロッパの中世を知るのは面白い。

およそ15年前、『ヨーロッパの目 日本の目』という本を出すとき、帯の推薦文を誰に書いていた…

「ビジネスと文化」を論議するー文化創造者としてのラグジュアリー・スタートアップ。

「ラグジュアリー」は、常に論議を呼ぶ言葉です。多くの意味をもつ言葉であると同時に、その多…

日経新聞の記者がラグジュアリーの記事を書き始めた ー その変化の背景は?

今年のはじめ、日経新聞にラグジュアリー関連の記事が目につくようになったと書きました。昨秋…

バックパッカーとは誰だったのか?

先日、友人と話していたら「最近、日本のまちづくりに関わっている人は、元バックパッカーじゃ…

イタリアの議会選結果に過剰に反応しないわけーー全体状況を落ち着いてみるためのヒン…

時は進み、それに従い、人々の考え方や心も変化していきます。この移り変わりは、欧州の政治を…

「文化の盗用」とは何の問題?ーボルシチの無形文化遺産登録から考える

「ボルシチ」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。 上記の決定にロシアの外交官は反発しているようです。このニュースを読み、ぼくは「文化の盗用」とも密接に絡むテーマであると思いました。そこで、文化の盗用との関連で、この記事について考えてみます。 まず無形文化遺産とは何でしょうか? 2003年、パリのユネスコ総会で合意されたものです。「グローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い,無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から,無形文化遺産の保護を目的

アートが中世工房へ回帰? —— クラフトとアートの行方

19世紀のイタリア王紀・マルゲリータがナポリで食べた「イタリア国旗にちなんだ、赤いトマト、…

人文系の学生さん(と卒業して間もない人たち)へ語りたいことーービジネスで不利と思…

この文章は大学で人文系、つまり文学や歴史あるいは哲学などを学んでいる学生さん、または、こ…

「人生観とは枯れたもの」との見方から脱却した方が良い。

日本で「人生観とは枯れたもの」との印象が強いと以下のコラムで書いた。年齢のいった作家やお…

日本文化が相対的に存在感を増す?ーーヴェネツィアでの展覧会 「ホモ・ファーベル」…

ヴェネツィアはオーバーツーリズムの代表的観光地の一つです。この夏から観光客への入島税の適…

自然+無形文化遺産はラグジュリーに深い意味づけをもたらす?

先週、次の記事をアップしました。実は、これはミラノの大学でデザインや建築の修士に通う各国…

「ラグジュアリー」の意味のイノベーション

今週、ある大学で「新しいラグジュアリー」についてレクチャーすることになったので、意味のイ…

遠いところにいると思っていた人が、思いのほか近くにいる ー 新ラグジュアリー考

服飾史研究家の中野香織さんとの共著『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』が上梓され、およそ2週間を経ました。発売前に書いたnoteは以下です。 読者からさまざまな感想をいただくと同時に、英訳をした「はじめに」(上記のnoteに冒頭を紹介しています)を読んだ方たちからも内容に同意・共感していただき、これからの活動の背を押してくれるコメントをもらっています。というのも、日本語の読めない欧州や米国の人に「はじめに」を送ってきたのです。 これまで何冊かの本を出して