なぜ結婚するのか?
私の周囲は、結婚している人、結婚していない人、様々だ。
これまでも書き綴ってきたが、私自身は結婚しない方向で自分の人生を考えていた。
今回は、「結婚する理由」について、私の印象に残っているサンプルと、(結果的に)結婚した私の場合について参考までに少しだけ。
結婚する理由
結婚相談所に勤めていた頃、いろんな人と面談をした。
当時は「婚活」などという名称も無かった頃だが、男性も女性もそれぞれのモチベーションで入会したいと来ていた。
皆、それぞれいろんな考えで、結婚を考えていた。
「一人では寂しいから」「自分の家族が欲しいから」「子供が欲しいから」「将来が不安だから」「幸せになりたいから」・・・etc.
結婚相談所ではそういうお互いの希望や条件のデータをマッチングさせて、時に励まし、時に叱り、「成婚」に向かって進ませる。
中には、「…結婚しなくてはいけないんでしょ?」という呪縛にかかっている人もいた。
面談でそれらの人の話を聞きながら、自分自身のことも、もちろん考えていた。
当時の私の中では「結婚って大変なことだな…」とぼんやりと思っていた。
結婚した理由・元同僚の場合
私の元同僚で、超エリートと結婚して、離婚して、再婚した人がいる。
彼女は超エリートの上司だった夫と結婚したが、「その時はその人と幸せになれると思って結婚を決めた」んだそうだ。
家族・親族・友人・職場の同僚など全ての人から祝福された、盛大なお式だったそう。
夫になった人は、仕事がデキて収入もよく人望もあり、人柄的にもすごく良い人だったそうだ。舅姑も適度に距離を取ってくれるいい人だったらしい。
そんな素晴らしい環境なのに、なぜ離婚したのか?
結婚するギリギリ前に、職場で夫の部下に当たる男性と恋に落ちてしまったんだそうだ。
でも迫る上司との結婚をやめられなくて、結婚してしまった。
新婚生活の間も、その彼のことが忘れられなくて、気が付くと家を出てしまっていたらしい。彼女はかなりクールに考えるタイプだったので意外だった。
夫は彼女を思って、結局1年目で離婚してくれたんだそうだ。
ただ、彼女の実家は離婚したことに怒って戻ってくることを許さなかったから、離婚して必死でブラック企業とも呼べる過酷な仕事を選んで働いていた。
そして、離婚から二年後に、その彼と結婚した。
その後、彼女は子供も産まれて幸せそうだが、その元夫の気持ちを考えると辛いだろうな、と思ったら、「離婚後も、元夫とは時々友人のように話す間柄」だというではないか…。
ほんとに人生には想像もできない、理解できないこともあるのだ。
彼女から「結婚は、ちゃんと恋に落ちた人とすべきだよ。」という教訓をもらった。
結婚した理由・友人の場合
こちらは、友人の話。
25歳で、大学時代から付き合っていた相思相愛の、真面目そうな固い仕事をしている彼と結婚した。
仕事は寿退社して、彼の住む遠くの町に結婚と同時に引っ越した。
が、なんと彼女の夫が結婚早々に浮気したのだ。
彼女もそうだが、周囲の私たちもびっくりした。
慣れない土地で、彼女はすごく悩み離婚すべきかどうかも考えていた。
が、最終的には再構築を選んで、とどまることにした。
彼女はその時、夫に条件をいくつも課したそうだ。
子供を持つのもその一つだった。
そして一人息子に恵まれて、現在結婚20年以上経つ。
彼女は、長く付き合ってきた夫に情はあるが、昔のような愛しさはもうない、と言っていた。
大きな情だけが二人を夫婦として繋いでいるのだ。
「今のところ離婚はしないけど、家も車も、財産系は全部私の名義になっているから、もし離婚しても私は大丈夫。」と言っていた。
彼女から「決断は慎重に。誰かに決められるのではなく、自分で判断するに越したことは無いからね。」という注意をもらった。
結婚した理由・知人の場合
私の叔母の親友は、早く実家が出たくて、お見合いした最初の相手と取りあえず結婚したんだそうだ。
実家の母が厳し過ぎたので、早く自由になりたかったが、時代が時代で女性は結婚する以外では家を出ることができなかった時代に、だ。
お互いに、好きでも嫌いでもない相手と結婚したが、結婚してから毎日少しずつお互いに好きになっていったんだそうだ。
彼女が若くして事故で亡くなった際、私は葬儀に参列していたのだが、彼女の夫であるおじさんが言った言葉が印象的だった。
「おじさんとおばさんは、結婚してから恋愛したんだ。毎日、恋をしていったんだ。」
本当に仲の良い夫婦だったから、本当に辛そうだった。
その後も、そのおじさんは再婚せずにいる。
ここまで愛されて、本当に羨ましいなと思った。
当時、高校生だった私に大きなインパクトを与えた出来事だった。
結婚した理由・私の場合
結婚しない方向の人生設計をしていた私は、いろいろと話せる友達は常に広く持とうと努力していた。
出会いはネットだったが、彼もその一人だった。
実は彼自身も、多分結婚はしないと思っていたんだそうだ。
それが実際に会ってお互いに好きになって、遠距離恋愛を1年、そしてビザに合わせた3か月間、私が彼の国に来て「お試しで」同棲をした。
その結果、「今後もふたりが一緒にいるためにはどうしたらいいか」という答えが結婚だった。(ここら辺の詳細はまた後日…)
ということで、プロポーズよりも先に国際結婚の手続きにすぐ入った。
領事館やお役所関連にたらい回しされ苦労したが、何度も足を運び、なんとか許可を得て、慌ただしくも結婚できた。
結婚してからは、ほんとの更年期の体調不良や予定しなかった海外移住、新たに言語を学ばなければならなかったりと様々なストレスがあったが、夫となった彼が根気よく全部付き合ってくれたおかげで、なんとか乗り越えられた。
日本を離れて仕事も辞めて友人とも離れて、今まで私の大切で好きだったもの全部を置いてまで、私が結婚を決めたのは「彼としか結婚できない」と思ったからだ。
結婚の後も、人生は続く
結婚へ踏み出すには、人それぞれの理由がある。
よく言われる言葉だが、結婚はゴールではない。
結婚生活は、その後も続く。むしろそっちの道のりのほうが長い。
結婚後の自分の人生を、相手と一緒にどうやって送っていくか、そのためには何が必要か・・・そのキーワードは、私はやっぱり「愛」なんだと思う。
「病める時も健やかなる時も」、そこに愛が無いと乗り越えづらい。
「富める時も貧しき時も」、条件が変わっても一緒にいられる相手じゃないと、結婚生活は続けていけない。
だから私は、婚活の相談をしてくる後輩には必ず言う。
「ちゃんと好きな人と結婚したほうがいいよ。でも、相手はとことんまで見極めるんだよ。」
そうじゃなかったら、一人でいるほうがずっといい、と私は思っていたから。
次は、結婚を必要としない理由も書いてみようと思う。
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