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『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』観た。

プロメテウス

 Prometheus(2012)
 なぜか観ていなかったので観た。
 X-MENのマイケル・ファスベンダーがかっこよかったので、彼の出ている作品が観たくて観た。マイケル・ファスベンダーはアンドロイドで、とても良く似合っていた。エイリアンのアンドロイドは悪役だったり善人だったり、なに考えているかわからないのが魅力で、なに考えているかわからないキャラクタを演じきっていたように思う。
 シャーリーズ・セロンも謎の美女が似合っていた。でもときどき可愛い顔をして、ちょっとドキドキした。最後、主人公と二人で生き残ってエイリアン4みたいな百合展開かと思ったけどそんなことはなかった。
 主人公の女性が作中で精神的にタフになっていくのが、エレン・リプリーを踏襲しているようで、リドリー・スコットもファンの心をわかっている。リプリーの方がハードでタフなキャラクタだけど、それは続編に期待。と思ったけど、コヴェナントには出ないのか。残念。この役者、ノオミ・ラパスはどっかで観たことあると思ったけど、ミレニアムシリーズに出ていた人か、そうかそうか。
 作品としては、人類の起源を探る話で、人類を生んだ古代異星人がいたであろう星を冒険する。そこでエイリアンと出会う。という感じだが、謎が多い。続編で明らかになるとかならないとか。
 古代異星人と人類の関係もよくわからないし、古代異星人マッチョすぎ。エイリアンは彼らが生んだ兵器だと解釈されていたけど、そのとおりなのか。一旦地球を破壊するためとかいう見解が述べられていたけれど、それは正しいのか。

  気になる点も色々ある。

 DNAが一致したけど、なにかの手違いかなにかではないのか、何度か確かめたほうがいいのではないか。STAP細胞は本当にあるのか。という事態にならないか。

 宇宙船が着陸したのがたまたま敵のアジトというかドームの付近だったけれど、それを見つけたからそこに着陸したというより、偶然ではないのか。星を一周してその上で、あそこに着陸しようというふうになっていたようには見えなかった。他にもドームあるかもしれないし、生き残りはいるかもしれない。そんな映画的なご都合主義に突っ込んではいけないのかもしれないけれど。

 アンドロイドであるマイケル・ファスベンダーの行動の意味が解説されていなかった。それは続編で言及されるのだろうか。主人のために動いているのはわかる。でも、謎のウイルス? を博士に飲ませたのはどんな理由があるのか。親殺しの話は? 主人がいなくなったから続編ではやりたい放題するのだろうか。

 シャーリーズ・セロンの役は結局人間なのか。お前もロボットか? というシーンを入れたのにあえて答えを描かない。個人的にはブレードランナーでデッカードはレプリカントなのかを作中では曖昧に表現していて、どっちとも解釈できるようにつくっていたのを思い出させてよかった。はっきりと設定しておかない方が、続編で登場させることも可能だという意図も生まれるだろう。

 最後におなじみのルックスのエイリアンが誕生して、かわいい! てなった。いい映画だった。

エイリアン:コヴェナント

 Alien: Covenant(2017)
 やはり生まれたてのエイリアンは可愛い。
 そしてマイケル・ファスベンダーがいっぱい映って俺歓喜。
 前作の生き残り、ショウ博士が死ぬ展開はエイリアン3感があってよかった。そうでなくっちゃ。
 ていうか未知の惑星に降り立つのに空気の組成が大丈夫だからって、防護服なしに降りるの危険だと思わないのか。未知のウイルスとか細菌とかもっとちゃんと調べてからにしろよ。と思った。
 あと、最後のシーンで、マザーがデイヴィッドの声に反応していて、マザーのシステムガバガバやんってなったけど、そこは突っ込んではいけないのか。
 エイリアンの前日譚としてはとても良かったと思います。

 前日譚として、テーマは創造や人類の起源であった。関係がややこしいので整理してみる。
 人類の起源はなにか。遺跡で見つかった壁画に描かれていた星を目指す。そこに創造主(エンジニア)がいるはずだ、というのが物語の出発点。

 エイリアン:コヴェナント(以下エリコ)の冒頭は、アンドロイドであるデイヴィッドが創造主であるウェイランドと会話するシーン。ウェイ「私がお前を作った」デイヴ「あなたを作ったのは?」

 人間に作られたアンドロイドが自分はなにも生み出せないのか、と思うかという哲学がテーマ。

 プロメテウスでたどり着いた星は、エンジニアの兵器工場だった。その兵器こそエイリアン。星を滅ぼして地球乗っ取り作戦を遂行するために。

エンジニア→エイリアン

 しかし、エリコでデイヴィッドによってエンジニアの星にエイリアンをばらまかれてエンジニアは滅ぶ。

アンドロイド>エイリアン>エンジニア

 という力関係。

 エンジニアは人類を作った? とされている。がここがよくわからない。人間とDNAが一致したのはどういうことか。自分たちの複製を作って古代に地球に送ったのか。古代に地球に移住してその子孫が人間なのか。でも地球を滅ぼそうとしていた。よくわからないけれど、エンジニアが人類を作ったということになっている。

エンジニア→人間→アンドロイド

 という関係。
 そしてアンドロイドであるデイヴィッドがエイリアンを改良して彼らの創造主となった。

アンドロイド(デイヴィッド)→エイリアン改

 そしてそいつにエンジニアと人間はやられてしまう。

[創造]
 エンジニア →人間
       →エイリアン
 人間    →アンドロイド
 アンドロイド→エイリアン改
[破壊]
 エイリアン・エイリアン改>エンジニア・人間

 という構造。アンドロイドであるデイヴィッドが新たな神になる話だった。エンジニアも人間も自分たちの作った、エイリアン・アンドロイドに殺されてしまう。人類のエゴでアンドロイドを作ったために罰が下った。という神話的解釈。SFではよくある哲学的問い。自分たちで作った核兵器で今のところ人類は滅んでいないけれど、そういう危うい未来はSFが好むところで、そうなったら映画は観れないから映画の中で描くのか。映画でなくても小説でもなんでも。
 本来の力関係が逆転して食うものと食われるものが入れ替わることは恐ろしい話だが、みんなどこかでそれを望んでいる。子供の頃は大人たちに逆らえなかった。力では勝てない。若い頃は目上の人に従うだけだった。いつしか立場は逆転して、子供の面倒を見て部下を指導するようになる。そしていつかは乗り越えていく。その繰り替えし。盛者必衰。
 自分が役者だったら、エイリアンに食い破られて死んでみたいな。

 終

 なんでパッケージ緑色なんだろ。

もっと本が読みたい。