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月刊アルバムレビュー 2022年7月号

①Beabadoobee / Beatopia

90'sオルタナサウンドへの憧憬を全面に打ち出した前作から2年。2ndフルアルバムとなった今作はその志向からさらに広がりを見せ、カーディガンズのようなスウェディッシュポップ風味の”The Perfect Pair”や浮遊感のあるドリームポップ”See you soon”など多様な音像を見せてくれている。しかしながら改めて彼女の作曲センスの高さには驚かされるばかりだ。

②Florist / Florist

現行アンビエントの才人Emily A Sprague率いるインディ・フォークバンドの4th。フィジカルではCD、LP共に2枚組という超大作。エレクトロニクス、アンビエントの要素がふんだんに盛り込まれ、アコースティックなフォークサウンドと調和していて耳が幸せ。2022年で今のところ最も美しいアルバム。

③Tallies / Patina

ドリーミー・ギターポップバンドの2nd。クリーンなアルペジオを多用するギターアレンジが完全にツボ。どこか切なさと郷愁を誘うようなボーカルも魅力的。

④Working Men's Club / Fear Fear

UKポストパンクバンドの2nd。強いビートの上で繰り出されるダークなシンセやギターのフレーズで脳内麻薬ドバドバ。とはいえ1stの衝撃が強すぎたので今作はその延長に過ぎないかなという感じ。

⑤black midi / Hellfire

「今回のblack midiポップじゃね?」と思ってしまった私はもう末期かもしれない。前作からのキング・クリムゾンなどプログレへのアプローチを引き続き強めつつもポストパンクへの回帰、ポエトリー・リーディング的歌唱もあり個人的には好きだし、聴きやすいと思った。そもそもテイラー・スウィフトのカバーをするバンドがポップ・ミュージックを視野に入れてないわけがないので、最初の私の感想もあながち間違いではないはず。

⑥Moon In June / evergreen

日本のドリームポップ/シューゲイザーバンドの2nd EP。このミニアルバムのおかげで私の夏は救われた気がした。上で紹介したTalliesとも共通するドリーミーさと素朴な女性ボーカル。リード曲の”Summer Pop '97”は全メロディが最高で特にサビの展開が心地良すぎる。

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