えにぃもあ

とあるレコ屋店員。

えにぃもあ

とあるレコ屋店員。

マガジン

  • 月刊アルバム・レビュー

    その月に聴いたものから何枚か選んで紹介します。洋楽インディがメインになると思いますが、ジャンル問わず扱っていきたいです。

  • アニソン的視点によるディスクガイド

    アニソンにからめたりからめなかったりしながら、好きな音楽を紹介するもの。なるべく今まで語られてこなかった角度から切り込みたいです。

最近の記事

おすすめ現行ポストパンク②

前回が2020年でしたのでそれ以降で個人的に好きなバンドを紹介します。 ①Yard Act UKリーズを拠点とするYard Act。ユーモラスで知的で、めちゃくちゃ踊れる、音楽性もありますがそのスタンスみたいなものにTalking Headsを連想せずにはいられません。今年リリースされた新譜はますますポップスへのアプローチを強く見せています。 ②Cola こちらはカナダの3人組オルタナ・ポストパンク、Cola。ストロークスの影響も感じさせるシンプルな音作りながらフック

    • 月刊アルバムレビュー 2022年10月号②

      ライブラリ見返したら10月まだまだあったので。 ①Frankie Cosmos / Inner World Peace Frankie Cosmosはひたすら明るいインディギターポップという印象だったのだが、今作は少し影のあるメロディやMen I Trust、The Mariasとも共振するようなインディソウル要素もあり、新境地といった感じだ。 ②girlpuppy / When I'm Alone あざといジャケット実はハズレない説。この手の女性インディ、特にJor

      • 月刊アルバムレビュー 2022年10月号①

        まだ、2022。 ①Dry Cleaning / Stumpwork ロンドンのスポークン・ワード・ポストパンクバンドの2枚目だが、今回は少し歌っている?1stに比べると少し内向的な作風に。相変わらずどこに連れていかれるかわからないギタープレイとサウンドが心地よい。ジャケは最悪すぎるけれど。 ②Drugdealer / Hiding In Plain Sight 新旧問わずアメリカンロック好きはみんな聴くべき傑作。Kate Bollingerをフィーチャリングした”P

        • 月刊アルバムレビュー 9月号

          ポケモン新作とその実況配信を見て生きています。 ①Sofie Royer / Harlequin 1枚のアルバムで私の全幅の信頼を持って行かれたオーストリアの美女SSWによる待望の2nd。前作に引き続きメランコリックな響きが魅力的なアルバム。メロディラインは70’sの香りが、サウンド面は80’sを踏まえた現代シンセポップというおいしいもの組み合わせ。 ②Whitney / SPARK 1stの頃は自然豊かな山でMVを撮っていたのに、今やミラーボールやらカラフルな光線や

        おすすめ現行ポストパンク②

        マガジン

        • 月刊アルバム・レビュー
          20本
        • アニソン的視点によるディスクガイド
          29本

        記事

          月刊アルバムレビュー 2022年8月号

          7月リリースで漏れてたのも含まれます。 ①Marci / Marci カナダのインディポップバンド、TOPSのレトロポップなサウンドを牽引するキーボーディストMARTA CIKOJEVICのソロプロジェクトのデビュー作。"Immaterial Girl"というタイトルがあるようにマドンナをはじめとした80年代ポップからの多大な影響を感じさせるアルバム。シンプルで軽快なシンセと跳ねるリズムが気持ちい”Electricity”は最近の私のアラーム音。 ②Stella Don

          月刊アルバムレビュー 2022年8月号

          月刊アルバムレビュー 2022年7月号

          ①Beabadoobee / Beatopia 90'sオルタナサウンドへの憧憬を全面に打ち出した前作から2年。2ndフルアルバムとなった今作はその志向からさらに広がりを見せ、カーディガンズのようなスウェディッシュポップ風味の”The Perfect Pair”や浮遊感のあるドリームポップ”See you soon”など多様な音像を見せてくれている。しかしながら改めて彼女の作曲センスの高さには驚かされるばかりだ。 ②Florist / Florist 現行アンビエントの

          月刊アルバムレビュー 2022年7月号

          9/26 Yumi Zouma来日公演レポート

          場所は恵比寿リキッドルーム。LCDサウンドシステムがかかる会場は、まだ人はまばらだった。同日2公演のうちの2回目だったので、数時間前にこの会場で既にひと盛り上がりしたことを思い、その熱狂の余韻を探した。開演直前ともなると会場はほぼ満員となり、ステージ上の花で飾られたマイクスタンドが不規則に光り始め、暗転。 ボーカルのクリスティはゆったりとした白のワンピースを着ていて妖精のようだった。ギターのジョシュが「マジアリガト」と挨拶(この日は何度もこの言葉を繰り返していた)。SEが始ま

          9/26 Yumi Zouma来日公演レポート

          月刊アルバムレビュー 2022年6月号

          vtuberにハマったり流行り病に罹ったりしてモチベーション下がってました。 ①Σtella &Redinho / Up and Away ギリシャのインディスター、SUB POPからの新作。前半はクルアンビンやLos Bitchosのようなエキゾ・サイケだが中盤以降はシンプルなミディアム・インディ・ロック。個人的には後半からの方が好き。 ②Automatic / Excess シンセ、ベース、ドラムによるミニマル・ポストパンク。親しみやすさを感じるのはMVの雰囲気か

          月刊アルバムレビュー 2022年6月号

          月刊アルバムレビュー 2022年5月号

          ①Rolling Blackouts Coastal Fever / Endless Rooms ギターロックでありながらどこかSF的疾走感のある先行曲”The Way It Shatters”を聴いて、またこのバンドは進化してると思った。洗練された爽快感の中にも哀愁を感じられるフレーズや声。 ②TOPS / Empty Seats レトロポップなサウンドが魅力のTOPSの激甘なEP。マドンナなどを彷彿させるサウンドやメロディ。私の母いわく声がヴァネッサ・パラディに似て

          月刊アルバムレビュー 2022年5月号

          Cold Diamond & Minkというバックバンドについて~Bobby Oroza新譜に寄せて~

          先日配信リリースされたBobby Orozaの2ndアルバム”Get On the Otherside”がかなりツボに入ってしまい、もう何度もリピートしている。甘々な歌声と乾いたヴィンテージ・サウンドに蕩ける気分に浸るのは極上の音楽体験である。 さてこのアルバムにクレジットされているCold Diamond & Minkというバンド。字面にも演奏にも見覚え、聴き覚えがあり調べてみると、私が去年ドハマりしていたJeb Loy Nicholsのアルバムでもバックバンドとして名を

          Cold Diamond & Minkというバックバンドについて~Bobby Oroza新譜に寄せて~

          月刊アルバムレビュー 2022年4月号

          ①Wet Leg / Wet Leg 昨年から世界的に注目されてきたUKワイト島出身のロックバンドWet Leg待望のデビューアルバム。その期待値の高さを裏切ることのない傑作。普遍的なロックンロールだけど初めて聴くような感覚になるのは彼女たちの歌い方やサウンドがいい意味で斜に構えた感じがするからだろうか。(ジャケットはちょっと微妙。)来年の来日公演が待ち遠しい。 ②Melody's Echo Chamber / Emotional Eternal フランスのドリーミーサ

          月刊アルバムレビュー 2022年4月号

          月刊アルバムレビュー 2022年3月号

          ①Luna Li / Duality 1曲目”Cherry Pit”がまず最高すぎる。プログレでも始まったのかと思う激しいイントロ、からのローファイ・ポップ、全体を通してノスタルジックなメロディとアレンジ構成され後半に行くにつれてどんどんドリーミーに、トレモロのギターが入る頃にはシューゲイザーの様相を呈してくる流れに毎回感嘆してしまう。全体としてはインディポップ、R&B 、フォークなどジャンルに囚われない柔軟さや古めのロックからの影響も垣間見える歪んだギターによるリフなども

          月刊アルバムレビュー 2022年3月号

          月刊アルバムレビュー 2022年2月

          ①Big Thief / Dragon New Warm Mountain I Believe In You Big Thiefの新作は年間ベストには余裕で入りそう。Neil Youngのような緊張感のあるフォークやJoni Mitchellの優しくも独創性のあるフォークとオルタナ、ベッドルームなどの要素をコロコロと入れ替えながら展開し、2枚組という大作ながらも親しみやすいアルバムになっている。”Simulation Swarm”を絶賛する声を多々見かけて、自分も大好きだが

          月刊アルバムレビュー 2022年2月

          月刊アルバムレビュー 2022年1月

          ①Reptaliens / Multiverse シンセポップ・デュオの3rd。ドリーミーなリバーブのかかった軽快なインディポップナンバー、”I Feel Fine”から始まり、少しビターなAメロからとろけるような甘めのサビがクセになる”Like A Dog”などシンセポップでありながらもサイケなアルバム。 ②Jana Horn / Optimism USシンガーソングライターのデビュー作。個人的に最近はフォーク寄りの音楽が妙に沁みるようになってきた中でJana Hor

          月刊アルバムレビュー 2022年1月

          2021年ベストアルバム30選

          洋楽だけで。カウントダウン形式ですがあまり関係ないです。上位の方は確定って感じで。 なんというか体系として音楽を捉える癖があってそれを追体験してもらいやすいよう、文章内のアーティスト名には(説明不要と思われるものにも)YouTubeのリンクを貼っています。 30、Pale Waves / Who Am I ? 出たときは結構繰り返し聴いてたけど、だんだん埋もれていってしまった感。アヴリル・ラヴィーンの時代の匂いをそのまま感じられるアルバム。 29、N0V3L / Non

          2021年ベストアルバム30選

          2021年ミュージックビデオ5選

          そんなに数を観ているわけではないのですが、今年特に印象に残ったMVを選んでみました。 Kate Bollinger / ShadowsKate BollingerのMVは"Grey Skies"の時も思ったのですが、無作為なようで音楽の世界観との親和性の高い映像で意外と考え込まれてるんだろうなと思っています。360度カメラを効果的に使った演出が個性的。 Dry Cleaning / Scratchcard Lanyardカーテンが開いた時の出オチでもあるんですが、カメラを

          2021年ミュージックビデオ5選