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道を尋ねられがちな人は知らない子から遊ぼうと誘われる

先日、家族4人で箱根に旅行に行ってきた。

箱根は昨年の台風による土砂崩れの影響で箱根登山鉄道が長期運休していたり、コロナの影響で外国人観光客が激減していたりとけっこう可哀想な状況だが、それでも観光客はそれなりにいてさすが箱根という感じだった。

箱根湯本駅では運休の登山鉄道が臨時待合室として使われていて、動かない車体からはそこはかとない哀愁が漂よう。

小さい子どもを二人連れているので基本的には温泉に入ってゆっくりするだけのゆったり旅だったが、まぁせっかく箱根に来たんだしということで彫刻の森美術館に行くことにした。

広くて走り回れるし子どもが実際に遊べる展示もいくつかあるしちょうど良い。


子どもが遊べる展示のひとつに「ネットの森」というのがある。

何重にもネットが張り巡らされていて地面近くの出入り口からどんどんネットを登っていくとネットの上に出て遊ぶこともできるのだ。

遊べるのは小学生までなのだが、正直言って大人の俺もめちゃめちゃ遊びたい。でも大人もOKにしたらネットの上にイチャイチャするカップルが蔓延って子どもが遊べなくなるに決まってるので致し方ない措置だろう。

長女もキャッキャ言いながら走り回ったり周りにぶら下がっているエイリアンの卵みたいなやつで遊んだりしてくれた。

ただ長女はかなりビビりなのでネット部分は全然登らず、地面に近い出入り口の部分に入るのがやっとという感じだった。まぁ普通に2歳にはちょっと難易度が高いので仕方ない。

そんなこんなで長女と一緒に遊んでいると知らない女の子に「鬼ごっこしよう!おじさん鬼ね」と急に声をかけられた。後から聞いたらいま6歳だそうだ。

別に断る理由もないので長女と3人でやることにした。

それにしても全く知らない人に声をかけるのって大人がやろうと思うとかなり勇気がいるし、だいたいは不純な動機(ナンパや宗教の勧誘)だ。

なんの躊躇もなく、純粋に一緒に遊ぼうと声をかけるのは恥ずかしさやある意味怖さを知らない子どもだからできることでちょっと羨ましさも感じたりする。

そういえばちょっと前にレストランのキッズコーナーかどこかでも知らない女の子に一緒に遊ぼうと声をかけられたな。その時は絵本を読んであげた気がする。

これはもしかして俺は遊びに誘いやすいタイプなのか?

確かに子どもに限らず、知らない人に道を聞かれることも多い。すごい急いでいる時にも声かけられるので知らぬまに顔に「なんでも聞いてください」と書かれたのかと思うほどだ。

世の中を知らない子どもでも直感的に「この人なら話しかけても大丈夫」みたいなのが分かるのだろうか。弱い存在である子どもだからこそそういう直感はむしろ働くのかもしれない。

道を尋ねられがちな皆さん、パパになったら知らない子から遊ぼうと誘われるので覚悟しておいてください。


というわけで始まった鬼ごっこだが、6歳かなりやばい。女の子とはいえかなり走れるので追えども追えども全然追いつかない。

うちの子はまだ2歳なので走るといってもまだまだ足元がおぼつかない。だからこちらは本気を出すまでもないのだが6歳ともなると本気を出さないと相手にできない。まだ若いから何とかなるが、40超えてパパになる人とかマジで大変だな…

で、この子がすごかったのはうちの娘に対してすごく優しくしてくれたところだ。

公園とかで遊んでいるとちょっと年上のお姉さんがいて、うちの娘は果敢に一緒に遊ぼうとするのだが、無視されることも少なくない。けっこう小さい子どもって残酷で自分の世界に他人が入ってくることを許してくれないことも多い。

でもこの子はちゃんとうちの娘に気を使ってくれて、例えばうちの娘が鬼になった時には「じゃあ私も鬼ね!二人でこの人(俺)追いかけよう!」と提案してちゃんと娘が楽しめるように配慮してくれたのだ。

小学校に上がるか上がらないかでこの気遣いができるのは感心してしまう。少なくとも男の子には絶対できない振る舞いだ。

うちの娘もこの子のように周りに優しく、特に自分よりも弱い存在に対して優しくできる子になってほしいな、いやそういう風に育てないとなと身をもって感じた出来事であった。

ちなみに大人の俺に対しては全く気遣いを見せることなくヘトヘトになるまで走らされた。

頑張って走る大人に対してももうちょっと気遣いを見せてくれてもよかったんじゃないでしょうか。

#コラム #子育て #育児 #パパの子育て

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