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権威のワナにご注意!

人は見た目で相手がどんな人なのか?を判断したり、感じたりするのではないでしょうか?同一人物でも休日のパジャマ姿の場合と、仕事でスーツを着こなしている姿では、同じ事を言っても説得力が違ってくるように思いませんか?

ビジネスマナーなどでも「人は見た目が○割」と言われたり、清潔感のある身だしなみをするように言われたりしますね。第一印象でもお客さまに信頼してもらう為にも「身嗜み」を整えておくことは大切だと思います。白衣を着ている、権威あるバッジをしている、警官の制服を着ている、そんな見た目でも権威を感じ、安心する場面があるのではないでしょうか?

一方で、私たちはそれだけ見た目で人を判断してしまうということも頭の片隅に入れておく必要があるのではないかと思います。

今回は人がどれだけ権威に弱いのか?の実験をご紹介します。
アメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムが1961年に行った電気ショックの実験です。実験では被験者に「電気ショック発生器」(実際には電気は流れない)の説明を行います。一番左が15ボルトで、次は30 ボルト、45ボルトと15ボルトずつ増え450ボルト(人が死に至る危険)まで設定してあります。被験者は教授からガラス越しに座っている人に電気ショックを与えるように指示します。電気ショックを受けた人は叫び、恐れ、苦痛の演技をしています。そんな姿を見た被験者は「実験をやめよう」と教授に言いますが、教授は「そのまま続けてください。実験は続けることに意味があるのです」と言いました。すると被験者はどうしたと思いますか?大抵の被験者は実験を続けたと言います。しかもその半数以上の人が最大ボルテージまで電圧をあげたのです。

この実験は、ナチスドイツのアイヒマンの裁判で、虐殺の責任を問われた彼が「命令に従っただけだ」と言った事が本当にそうなのだろうか?という疑問から行われたものだとも言われています。

権威ある人から命令されると、命に関わることにさえ従ってしまうという危険があります。誰でも権威のワナにハマる可能性がある事を知っておく事が大切なのではないかと感じます。

権威のワナにハマらない為には、チームとして人間の特徴を共通の認識として持つ事や、立場に関わらずコミュニケーションの重要性を知る必要があるのではないかと思います。そういう意味では航空会社でのCRM訓練(クルーリソースマネージメント)は、とても有効な教育だと思います。

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