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会社の売上か、顧客満足度か?

日々さまざまなことを吸収するも、ありさはまだまだ知識不足で、未熟な営業カウンセラー。でも聞き手に共感する、なりたい自分になる方法を提案する事は出来る。
第一関門突破だ。

今日は自分が担当した受講生が初授業の日。
彼女は緊張した面持ちで、授業に臨む。

授業についていけるかな?モチベーションが続くかな、大丈夫かな?我が子を見守るような気持ちになる。心配をよそに徐々にクラスメート同士が馴染んでいく。ほっと一安心だ。

営業の仕事はどの業界でも同じだと思うが、顧客満足度の保持と売上目標との戦いのバランスをとらなければならない。買ってもらった商品に顧客が満足してもらい、積み上げた結果で売上が伸びるのがbestだが、そうもいかないこともある。

毎日の売上報告、毎週の社内会議では、緊迫した雰囲気の中、集客率、売上達成率、個人別評価がなされる。

集合形式のスクールは講師1人につき、受講生の生徒が多ければ多いほど、利益が増える。表現が良くないが、詰め込んだもの勝ちだ。売上目標達成のために1人でも多くの入会をとることが求められる。

でも人数が増えるにつれ、基礎スキルや理解力のばらつきが大きくなるので、講師の指導スキルのキャパを超えてしまうのだ。40万円、50万円を投資して、時間を費やして通学しても、満足に習得出来ないまま受講が終わるという事態になってしまう。実際、クレームが多いことにかなり驚いた。

「夢を叶えるために、頑張りましょう!講師と共に応援します。」というメッセージが、ただ調子良い営業トークだった、、、ということになる。

教育に熱い思いがあり過ぎると、売上売上!と言われると仕事が合わないと早々に辞めてしまうか、いつになってもさえない控え投手のポジションになってしまう。

ありさはワンマン社長の考えに疑問を持ちつつも、みんなが満足出来る状態にしたいと思った。努力と根性発揮である。

モチベーショントーク全開で売上を上げ、入会後は気の利いたフォローをする。

「あの生徒さんは受講中の様子どうですか?」講師との情報共有、「〇〇さーん、勉強どうですか?先生すごい褒めてましたよ。さすが頑張り屋の○○さんですね!この調子で頑張ってくださいね!」受講生への声掛け、褒めることを続けた。

入会前までは親切、入会後はほったらかし営業マンが多い中、ありさは顧客の心理に気を配る。だてにサービス業をやっていたわけではない。

とりあえずやってみる、やるときは全力でやる。

徐々に自分の中の戸惑いや不安が、自信や満足感に変わっていった。

                       続く


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