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私はなんでボリウッドダンスを踊っているの?

※今回の記事は、私がやっているボリウッドダンスに対する私の中のもやもやを整理するために書いたものです。超個人的な悩みや葛藤を書いているので(しかもバーッと書いているので、全然まとまってない)、興味がある方だけ読んでください。

私がやっているインドのボリウッドダンス。

最初は見ているだけで楽しくて、心がハッピーになるからやりたかった。実際にやってみたら、本当に楽しくて、ただただ楽しく踊れていればそれでよかった。

でも今。このダンスを始めてもう6年。「楽しい」だけじゃダメなんだというところに来ている。

それは、ボリウッドダンスはただ楽しく踊るだけというものではないから。体や表情を使って「表現すること」こそが、ボリウッドダンスのボリウッドダンスたる所以だ。

それは、お芝居に似たものでもあり、役者さんと同じく「いかに自分の中の引き出しを増やすか」「そこからどうやって引き出すか」という作業が必要になる。

……これって、本来私が最もやりたくなかったジャンルだ(笑)

芝居や表現なんて、自分の人生には絶対に縁のないものだと思っていたし、やりたいなんて思ったことは一度もない。

だけど、先生に言われた。

「なんであなたはボリウッドダンスをやっているの?なんで他のダンスじゃなくてボリウッドなの?」

そう、ただダンスがしたいだけなら、他のジャンルだって全然いいのだ。
だけど、なんで私は「ボリウッドダンス」を選んだんだろう?

「インドが好き」っていうのはもちろん大前提としてある。インドにいるときに、楽しそうなのと、他のダンスとは違う独特な世界観に魅了されたのもある。

だから、やっぱりボリウッドダンスがいい。また、先生が言った。

「ボリウッドダンスでも表現を追求するのじゃなくて、ただ『楽しい』『元気を届けたい』っていう目的でやってもいいし、そうやってやっている人もたくさんいるよ」

……それもそうだ。

そして、私が最初にボリウッドダンスを始めたのも「ただ楽しいから」だった。でも、6年続けてきて、今はどう思うの?

……それだけじゃ、「ただ楽しい」だけじゃ、嫌だって思う。

だって、やっぱり私はインド人みたいに踊りたい。彼らのダンスを見ていると、本当に美しくて心からうっとりするし、心臓がドキドキするのだ。

それにはやっぱり「表現」することは必要不可欠だ。

先生は、こうも言った。

「今までの人生で、みんな多かれ少なかれ鎧をして自分を守って生きてきた。表現をするっていうのはその鎧を取って、素の自分を見せるってことだから、そりゃあ怖いに決まってるのよ」

そっか。そうです。めちゃくちゃ怖いです。私は表現することに対してめちゃくちゃ抵抗を感じている。そして表現することに対して向き合い始めた今、とてもしんどい。

私の場合は、特に「女性」を表すことにすごく抵抗を感じる。

今、一番難しいと感じている曲があって、それはとてもかわいらしい女性で、ある男性に恋して、振り向いてほしくて、そして男性を翻弄するようなちょっと小悪魔っぽいイメージの女性。

……これ、私が一番嫌いなタイプの女なのよ(笑)

ただかわいくて、頭は悪くて、バカっぽくても、男性からちやほやされるような女性が、私はずっと嫌いだったし、心のどこかで見下してもいた。

というか、今もそう。

それは、父親の影響が根深い。

銀行マンで、真面目を絵に描いたような父のもとで育った私。テレビではバカっぽい女性タレントがよく出てくるじゃないですか。そういう人に対して、毒づいていた父の言葉をずっと聞いて育ったのです。

めでたく「バカっぽい女はダメ」というレッテルが、私の中で大きく育った。

それは、自分の中の女性性を否定してきたということでもある。

ずっと自分の中の女性性を否定し、押し殺して、生きてきたのだ。ずっと否定してきたものを、表現として今出せと言われてもそりゃあ抵抗を感じるに決まっている。

だから、私はこの曲が一番難しく感じるし、どうやって表現していいのか、自分の中から引き出せずに苦戦している。

ここまで書いておわかりいただけたと思うが、ボリウッドダンスってただ楽しく踊っているだけではないのです。

正確に言うと、インド人や私の先生がしているボリウッドダンスが、このように表現を追求するものなのである。

「表現を追求しなくても、ただ元気に楽しくやることを目的に活動している人もたくさんいるし、それが悪いわけじゃない。そっちの方を選択したっていい。あなたはどうしたいの?」

と、先生はまた言う。

本当は表現なんてしたくなかった。
ただ楽しく踊れていればそれでよかった。

……最初は。

でも、今は?

やっぱりインド人みたいに踊りたい。心臓がぎゅっとなるようなものを作りたい。

今までの人生で避け続けてきた表現。そこに向き合うのは本当にしんどい。
ボリウッドダンスを続ける意味がわからなくなって、踊ることすら辞めたいと思うことも正直ある。

でも、私が魅了されたのは他でもないボリウッドダンスだから。

ボリウッドダンスを追求したいと思ったら、インド人のように踊りたいと思ったら、表現することから逃げることはできない。

今、本当につらい。しんどい。正直逃げ出したいくらい苦しい。何がこんなに苦しいのか、わからないくらい苦しい。

先生はこうも言った。「それもプロセスの途中だよ」と。

追求することに終わりはない。正解もゴールもなく、一生をかけて追求していくものだと先生は言う。

今は苦しいけれど、ここを乗り越えたい。

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