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古い図案のデジタル化 その1


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昨年、2021年からずっと気になっていたストック…
100年モノの古い刺繍新聞の束です。
状態が良いものは古い刺繍図案のファンの方たちの元へあらかたお届けしたのですが…破れていたり紙が劣化して脆くなっていたりページ数が足りなかったり大きなシミがあったり。
そんな100年以上も昔の紙の束を抱え、頭を悩ませておりました。

おそらく興味のない方からすればただのゴミ。
ところがよく見てみると当時の刺繍図案はなんとも愛らしく素敵な雰囲気のものばかりなのです。
特に、昔のフランスでは嫁入り道具にはイニシャルの刺繍をすると言う習慣があったため流れるような字体の美しいモノグラムが大小様々あちらこちらで見つかります。

ワンポイント図案などは破れた紙面の片隅のものも十分に使えそう。こんな素敵の詰まった紙の束をゴミと判断して捨てるわけにはいかない…
と言う謎の使命感から捨てられずにずっと取ってありました。私にとってはボロボロの紙ではなく宝の山に見えるのです。

今年になって真っ先に取り掛かりたかった昨年やり残したこと。それがこの朽ち果てそうな古い紙に残された素敵な図案のデジタル化です。
実は昨年手をつけられずにいたと言ってるものの、何度かスキャンしてみようと試みたことがありました。ところが新聞のサイズの問題で家庭で使用しているスキャナのA4サイズに収まらず、さくっとスキャンしてデータ化して…と言うわけにいかず、後回し後回しとなっていたのでした。

この度意を決して何度目かの挑戦をする前に、SNSで何か良い案はないかと問いかけてみたところ…
いくつかの大変ためになるアドバイスをいただきました。

多くの方がご提案くださったのは私が以前からチャレンジしていたように、A4サイズのスキャナーで部分部分をスキャンし、後からPhotoshopなどのソフトでつなぎ合わせるやり方。経費をかけずに家でできる利点がありますが、多大な手間と暇がかかると言う欠点も。楽しみながら時間をかけてコツコツと作業をするのにはとても良いかもしれません。

その他に、私が考えもしなかったアドバイスもいただきました。
・図書館や資料館などで大型のスキャナを借りれるかもしれない
・文化保全のためデジタル化の補助金等があるかもしれない
・専門機関に依頼するのがよい
・「影印本」の技術で昔から古文書を写真に撮影して保存してきた歴史もある
などなど。

このようなアドバイスを受けて、ダメ元でいちど近くの図書館で相談をしてみることにしました。
市が運営する一般の公立図書館で、私も絵本やDVDなどを借りるためによく利用しているところです。
受付の方はいつもとても親切でにこやかなので臆せず聞くことができました。

返答はある程度想像通りでしたが…
・大型のスキャナは図書館内には設置されておらず研究者や教職員の登録で使用できるアカデミーに行く必要がある。
・大変古いが文化的な価値が高いわけではなく、個人で楽しんで使用することをお勧めする。
・おそらくこのような古い図案の愛好家たちは多いと思うのでそのようなグループやクラブを探してコンタクトをとってみてはどうだろうか。

お忙しい中私の古い紙の束を前にした質問に、大変誠実に丁寧に答えていただけたのでなんとも暖かな気持ちになりました。
とは言え、解決策が見つかったとまではいきませんでした残念。
ちなみにこの時応対してくださった方の個人的な経験から、街の印刷屋さんはダメージの紙は預からないところが多く、頼めたとしても雑に扱われるので辞めといたほうが良いとのアドバイスでした。

以前にスキャンを試みて挫折した時に使ったこともあったのですが、スマホでスキャンできるアプリの利用も考えました。
scannableは、普段から紙の書類や説明書等のデジタルデータ化に便利に使っているアプリです。
スマホの画面をかざすと上の角を認識し、多少の歪みなら自動補正してスキャンしてくれるのでとても便利です。

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以前に使用した時はやはり新聞のサイズが大きすぎるためなかなか自動で認識してくれずどうもうまくいかなかったため挫折したのでした。
しかし、やはり便利なのでもう一度うまく使えないかとチャレンジしてみることに。
前回は紙の自動認識がうまくいかないところでつまずいたので、自動認識せず手動で調整してみることに。
1枚1枚細かい微調整が必要なためやはりやや時間はかかりますが、A4サイズでスキャンして継ぎ合わせることを思えば随分楽チンです。

画質等にはやや懸念があるものの、試しになんまいかスキャンした結果iPhoneのカメラの性能は悪くないもので、十分に使えるのではないかと思ったのでした。

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このやり方だと、コツコツと1日数枚ずつデジタルデータ化していく事ができます
紙の束はずっしりと重い量のうえ1束のみではないため、すぐに完了と言うわけにはいかないかもしれませんが、とりあえずこの方法で進めてみようかと思います。

今回古新聞のデータ化を決意したことによって得た教訓。
SNSで真面目に質問したらたくさんの人が良きアドバイスをくださると言うこと。

また困った時や迷ったときには皆さんの深い知識をお借りしたいなと思ったのでした。

というわけで、古い図案のデジタルデータ化プロジェクトの開始です♪

続く…

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